参議院行政監視委員会−

−「少年の非行対策に関する政策評価などについて質す」−
平成19年4月11日(水)
■松下新平■

 私は、民主党・新緑風会の松下新平です。本委員会での質問は初めてとなります。どうぞよろしくお願いいたします。
 初めての質問でしたので、この委員会の沿革を調べました。この委員会は本院の先輩方の相当な肝いりで設置されたということをお伺いして、今この重みを感じているところであります。この参議院、衆議院は決算と行政監視が一緒になっておりますけれども、参議院は決算は決算、そして新たに行政監視委員会というのが設けられております。平成十年、百四十二国会で設置されたということで、一番新しい第二の委員会になるそうであります。当時の時代背景もございました。行政の暴走をチェックすべきという国民からの強い要請もありました。さらには、国会にこういった委員会を設置してチェック機能を強化すべきだということもありましたし、また参議院の独自性の観点からこの委員会が設置されたということを推察いたしております。
 設置されて九年経過したわけであります。議事録などを見ましても、その内容、役割、解決をしているところもありますけれども、たくさんの部分で未解決のまま課題が山積しているという状況に、そういう実態に愕然といたしました。確かに、こういった行政に関する分析であるとか対策、是正の困難さは理解することであります。また、限界も推察いたしておりますが、国民の期待は少なくございません。この委員会の利活用、委員の皆様の御理解もいただきながら、より効果のある行政施策の実現を促してまいりたいと存じます。
 さて本日は、所管事項三つ、行政監視、行政監察、行政に対する苦情のうちに二つ、行政監察と苦情、二件について質問をさせていただきます。私は、地元宮崎で県職員として七年弱ですけれども行政経験を持っております。また、当時から国の行政監察の在り方について大変関心を持っておりましたので、その点、その観点からも質問をさせていただきます。
 まず、皆様の下にお配りをしていただきましたこの資料をごらんいただきたいと思っております。これは、総務省がまとめられた少年非行対策に関する政策評価についてであります。これ、一月三十日に報道機関に対する資料として作成された十枚のうち三枚を抜粋してお配りをいたしました。元々はこういった、二百八十一ページにわたって報告書をまとめられていらっしゃいます。このことは、前回の委員会、菅総務大臣もお触れになりましたし、政府参考人からこの詳細について説明をいただいたところであります。ただ、その説明をお聞きしながら、あるいは議事録も読み返してまいりましたけれども、なかなか表現、あるいはあいまいといいますか、その行政用語がたくさんちりばめられていて、なかなか理解に苦しむところでありました。この三枚目に評価の結果、意見というのがなされているわけですけれども、この資料が一番分かりやすいということで皆様にお配りしたんですけれども、これでもなかなか一目で理解するのは困難じゃないかなと思っております。
 調査結果を平たく私なりに分析しますと、国や自治体の少年非行防止やいじめ対策がうまくいったかどうか、過去五年間の政策を評価し、国全体として効果を上げているとは言えないという内容であったと思います。
 これを受けて、一月三十日の閣議で菅総務大臣は、内閣府、国家公安委員会・警察庁、総務省、文部科学省、厚生労働省の五府省の大臣にこの結果を通知されていらっしゃいます。そして、政策に生かすよう要請したということでございます。
 まず、近年の少年非行の動向と、政府のこれまでの取組についてお伺いしたいと思っております。
 この評価は平成十二年以降の少年非行の動向を対象としておりますけれども、その以前、中長期的に見た少年非行の動向についてお伺いしたいと思います。また、これまでの政府の青少年対策、どのように行われてきたか、各省庁の連携はうまく機能していたのかについてお伺いいたします。

■片桐裕 警察庁生活安全局長■

 私の方からは、今お尋ねのございました戦後の少年非行の推移についてお答え申し上げたいと思います。通例、刑法犯少年の検挙状況で我々御説明しておりますので、その数値を用いて御説明をいたしたいと思います。
 戦後の刑法犯少年の検挙人員を見ますと、大きく分けて三つの大きな山がございました。一つは、昭和三十年代後半から四十年代初めにかけてでございます。二つは、昭和五十年代後半から六十年代初めにかけて、三つは、平成八年以降の山ということになります。
 このうち最も大きな山は二点目の山でございまして、昭和五十八年にピークを迎えまして、十九万六千七百八十三人の少年を検挙したということでございます。
 この時期の特徴でございますけれども、一つは低年齢化という傾向がございまして、このほかに、万引き等のいわゆる初発型非行が増えたという傾向がございます。またさらに、校内暴力とか暴走族等、粗暴性の強い非行が著しく増えたという傾向が見られるわけでございます。
 そこで、最近の三つ目の山でございますが、平成十年の十五万七千三百八十五人の検挙がピークでございまして、その後若干の増減はございましたが、平成十六年以降は減少傾向で推移をしておりまして、昨年平成十八年には十一万二千八百十七人まで減少しているという状況でございます。
 他方、これを同年齢人口千人当たりで見てまいりますと、いわゆる非行率でございますけれども、最も高かったのは、昭和五十七年、八年の千人当たり十八・八人というのが最も多かったわけでございますが、昨年は十四・八人でございまして、まだまだ、検挙件数は減ったけれども非行率で見ると高い水準にあるということが言えます。これを成人と比べますと、成人の約五・七倍になっているということでございます。
 それから、年齢層別で見てまいりますと、依然として十四歳、十五歳の年少少年の占める比率が高いのでございますが、その比率は年々下がっておりまして、したがって、現在、低年齢化という傾向は見て取れない状況でございます。
 それから、凶悪化という観点について見てみますと、昨年は一千百七十人を検挙しておりますが、凶悪犯でございますけれども検挙しておりますが、年々これも減少傾向にありまして、したがって凶悪化ということは一概には言えないという状況でございます。
 ただ、問題なのは少年の再非行率、これが年々高まっておりまして、昨年は三〇%でございます。十年前の平成九年と比較しますと、八・八ポイントの増加ということになっております。また、さらにこのほかに世間を震撼させる凶悪な少年事件が後を絶たないということもございまして、いまだ予断を許さない情勢にあるというふうに考えております。

■荒木二郎 内閣府官房審議官■

 各省庁の連携を中心とする政府の少年非行対策につきまして、お答えを申し上げたいと存じます。
 内閣府が平成十三年一月に設置されまして、その直後の十三年二月、青少年施策を総合的かつ効果的に推進するために青少年育成推進会議というものを設置をいたしました。この会議は、関係省庁の局長クラスから成っておるものでございます。
 平成十五年六月、より高いレベルでの省庁間の連携を図りますとともに、青少年の育成施策を一層強力に推進するという決意の下に、内閣総理大臣を本部長といたしまして全閣僚を構成員といたします青少年育成推進本部が設置されたところであります。この推進本部におきまして、十五年十二月、青少年の育成に係ります政府の基本理念、それから中長期的な施策の方向性を示します青少年育成施策大綱が決定されました。この推進本部の下には、関係六閣僚から成ります副本部長会議というものが設置されております。また、非行対策のための関係府省の課長から成ります少年非行対策課長会議も設置されておりまして、これらの会議を機動的に開催をいたしまして関係府省の青少年施策の連携を図りますとともに、政府を挙げての施策に取り組んでいるところであります。
 昨年の六月には、特に子供の非行防止、それから子供の犯罪被害が相次ぎましたことから、地域の力で子供を非行や犯罪被害から守る、あるいは地域の力で子供が非行や犯罪被害に巻き込まれない力をはぐくんでいく、あるいは地域の力でそういう非行に陥ったりそういう困難を抱える子供の立ち直りを支援していこうと、この三つを柱といたします子ども安全・安心加速化プランというものを策定をいたしまして、現在同プランに基づきまして政府を挙げての非行防止対策に努めているところでございます。

■松下新平■

 ありがとうございました。
 それでは、総務省にお伺いいたしますけれども、行政評価等プログラムでこの少年非行対策に関する政策評価を選ばれたわけですけれども、その経緯についてお伺いいたします。

■熊谷敏 総務省行政評価局長■

 御案内のとおり、近年、非行少年の検挙、補導人員が高水準で推移している中、特異重大な少年事件が発生しております。少年の非行対策は、次代を担う青少年 の健全な育成と社会の安定のために政府が取り組むべき重要な課題とされているところでございます。このため、政府は平成十五年に全閣僚で構成される青少年育成推進本部を発足させ、また青少年育成施策大綱を策定するなどの取組を行ってきたところでございます。
 このように、少年の非行対策が政府を挙げて重要な政策課題として取り組まれていることを踏まえまして、関係行政機関の各種施策がどのような効果を上げているかなど総合的な観点から評価するため、政策評価のテーマとして選定いたしたところでございます。

■松下新平■

 後ほど申し上げますけれども、今政府を挙げて取り組んだと、その結果が、成果が上がっていないということが大変重要でありますので、これは後ほど詳しく触れてまいりたいと思います。
 この資料に戻りますけれども、この二枚目に、そういった背景の中で調査をしていくと、それで、評価の対象等ということでごらんいただきたいと思いますが、左の方に評価の対象、評価の観点、調査対象とございまして、右の方に、ちょうど大きな枠の中に政策効果の把握手法というのがございます。大変、この調査に当たっては、どういった手法でとらえるかというのが当然重要なわけであります。それが、その評価によっては大きな、全く違う結果ももたらすこともあるわけですから、まずこの把握手法、どのような観点からこういった手法を取り入れられたのか、お伺いしたいと思います。

■熊谷敏 総務省行政評価局長■

 本評価におきましては、非行少年の減少という効果に着目いたしまして評価いたしたところでございます。その際、一つは、非行を犯した少年の実人員、実人数につきましては、検挙、補導を行えなかった者があるため正確に把握できないこと。二つ目といたしましては、少年の非行対策の実施とその効果の発現についての因果関係を立証する手法がいまだ確立されていないこと。三つ目といたしまして、非行少年の増減には社会経済環境の変化、言わば外部要因が影響していると考えられるわけでございますが、その度合いを測定できないという種々の制約がある中で、把握可能で非行少年の増減の傾向を示すものに最も近いと考えられる少年人口千人当たりの検挙、補導人員等を政策効果を表す指標として使用し、その増減を分析いたしたところでございます。

■松下新平■

 今の答弁をお聞きしておりましても、大変苦労されたというのがうかがえます。
 その中で、検挙、補導を強化すると検挙人員は増加すると一般的に言われております。検挙人員等の動向で政策効果を把握することの妥当性について疑問があるわけでありますけれども、一般に多く取り締まれば検挙人員は上がるわけで、逆に手を抜けば検挙人員が下がると、実態はそうではないと思いますけれども、そういったことも単純に考えると考えられるわけであります。
 そういった意味で、この把握手法については専門的な立場からもこの手法でいいのかという指摘もされておりますけれども、この点に関して特に御所見をお願いしたいと思います。

■片桐裕 警察庁生活安全局長■

 警察庁としての考えを申し上げたいと思います。
 一般的に、少年非行の問題に限らず、治安対策を我々はいろいろ講じるわけでございますけれども、その上でどういった対策の効果をどういった指標で見ていくのかということは非常に難しい実は問題がございまして、これという確定的な指標がなかなか見いだせないという部分がございます。例えば犯罪全体でいえば、我々はよく認知件数というものを使うわけでございますけれども、少年について申し上げますと、犯罪の認知の段階ではだれが犯罪を犯したのか分からないという状況がございまして、検挙して初めて少年の事件であるということが分かるという問題がございます。ですから、認知件数をこれをストレートに用いるわけにはなかなかいかないということになります。
 そこで我々は、検挙した数、またそれからいろいろ補導した数とか、そういった数を用いながら傾向を見ていくということにやっぱりならざるを得ないわけでございますけれども、御指摘のように、このいわゆる検挙の数というのは様々な要因で変化し得るものであろうかと思います。ただ、他方で、そういった要因が構造的とも言えるような大きな変化がない限りは一定の傾向を示しているということもこれはまた間違いないことなんだろうというふうに思っております。
 したがって、今回総務省がこういった指標を用いられたということについては、それは当然一定の、何といいますか、理屈と申しますか、あるというふうに我々は思っておりますし、当然総務省としてはそういった制約、一定の変動する要因があるという制約も頭に入れながらこの指標を用いられたというふうに理解をいたしております。

■松下新平■

 現場の警察の方もいろんな言い分があるんじゃないかなと思っております。答弁はそのようなことでありますが、ただ重要なのは、この少年非行の効果が様々な分析から、反省すべきは反省して、また有効に効果が出るように取り組むということですので、その観点から御答弁もお願いしたいと思います。
 同じくこの問題について財務省にお伺いいたします。
 財務省は予算の査定をされていらっしゃいます。当然、各省庁からいろんな事業をやりたいということで持ってこられて、それを予算を付けられるわけですけれども、結果として、総務省の方から申し上げましたように、国全体として効果を上げれているとは言えないという厳しい指摘になったわけですけれども、少年非行に対する、一体どれぐらいの予算が掛かっているのか、この予算が無駄に使われたという言い方もできるわけであります。また、二次的には財務省の責任でもあろうかと思うんですけれども、その二点について財務省の見解をお願いしたいと思います。

■真砂靖 財務省主計局次長■

 まず予算額でございますが、少年の非行対策関係予算につきましては、財務省におきましては取りまとめを行っておりませんけれども、内閣府の集計によりますれば、平成十九年度において五百四十七億円となっているところでございます。
 それで、私ども査定当局としましては、各省庁からできるだけ効果的な政策を優先して査定をしていくという方針で査定に臨んでいるところでございます。今先生るるおっしゃいました今回のその政策評価におきましては、特に取組を強化すべき課題としまして幾つかの課題が挙げられているところでございまして、今後、私どもとしましても、こうした政策評価の指摘も踏まえまして、各省庁の要望もよくお聞きした上で適切に対処してまいりたいと、このように考えておるところでございます。

■松下新平■

 新年度がスタートいたしまして、この報告が上がったのは一月ということで、新年度には残念ながら反映されなかったというふうに伺っておりますが、やはり、五百七十四億円ですかね、今答弁いただきましたけれども、大変厳しい国の財政の中で、もう本当に予算を付けるのも大変だと、それぞれ要望が上がっているのを削りながら予算が付いているわけですから、有効に使っていただくのは当然のことですので、まあ今年度には反映されてないことかもしれませんけれども、報告が出て速やかに反映していくということもお願いしたいと思っております。
 次に、この報告の調査の段階で、様々なアンケートとか、あるいは専門家の意見とか、あるいはそれぞれ都道府県の担当の方が聞き取りの調査とかされているわけですけれども、肝心な少年非行その当人へのアンケート実施が必要ではなかったかな、そのように思っております。先ほど中長期的なこの少年非行の状況を説明していただきましたけれども、少年非行者本人へのアンケートの必要性を私は考えております。非行に至った事情とかその原因、そのことについてこの報告書にはなかったわけですけれども、その点についてコメントをお願いしたいと思います。

■熊谷敏 総務省行政評価局長■

 今回の政策評価におきましては、内閣府の世論調査等各種の実態調査等の分析に加えまして、少年非行対策の現場に従事していらっしゃる方、約実務者一万人に対して、少年非行の実態あるいは要因、必要な対策についてアンケート調査を実施したところでございます。
 委員御指摘の非行少年自身を対象とするアンケート、これにつきましても、検討はしたわけでありますけれども、アンケートにその実態が正しく反映されるためには非行少年との信頼関係、これが構築される上でそういうアンケートを行う必要があるということで、今回の評価におきましてはその見通しが十分立たなかったということで、このたびは見合わせたものでございます。
 委員御指摘の件につきましては、今後の検討課題として勉強させていただきたいというふうに考えております。

■松下新平■
 検討はされたけれども、今回は採用されなかったという答弁でした。
 答弁の中にもるる出てきましたけれども、この調査、完璧なのはないわけですから、またいろんな、これ一回きりじゃないと思いますけれども、またより良い調査、あるいはそれを施策に反映していくための手法をみんなで考えていくべきだと思っております。
 いろいろ質問して答弁をいただきましたけれども、これはもう前段でありまして、これからが大変重要であります。申し上げるまでもありませんけれども、この評価を、じゃ、どのように反映していくかということでございます。
 もう一度三枚目を見ていただきますと、総務省から関係五府省に意見として述べられております。これはちょっと分かりにくいので、申し上げましたように、とにかく実際その効果が上がっていないということが書かれているわけですね。特にその上の「意見」の中の上の「課題」の中の@、A、Bであります。
 それでは、この総務省のこの要請というか指摘をそれぞれ関係府省がどのように持ち帰って、どのように反省しあるいは受け止めてこれからの少年非行対策に取り組んでいくかということが重要でありますけれども、今回は文部科学省、そして警察庁、そして厚生労働省、この総務省からの要請に関してどのように受け止め、そしてこれから是正されていかれるおつもりか、御答弁お願いします。
■西阪昇 文部科学省大臣官房審議官■

 お答えいたします。
 先生御指摘のございました、今回の政策評価におきまして効果が発現していると推測できる状況にないという三施策の課題がございます。
 まず一点目の不良行為少年への対応についてでございますが、これにつきましては、スポーツや音楽、ボランティア活動などの社会奉仕体験活動等に打ち込める機会の提供など、青少年の居場所の確保により不良行為の段階で的確に対応することということがございます。課題としてございます。
 また、二番目の初期型非行の防止対策といたしましては、中学生や高校生に対して規範意識を身に付けさせることという御指摘がございます。
 また、三点目の再非行の防止対策といたしまして、審判不開始・不処分となった非行少年や保護観察等が終了した少年に対する学習などの機会提供など、地域社会における立ち直り支援を的確に行うことという、こういう指摘の部分が私ども文部科学省の施策としても受け止めていかないといけない点であるというふうに考えております。
 これらを踏まえまして、文部科学省といたしましては、子供たちに豊かな人間性や社会性をはぐくむため、長期宿泊活動や社会奉仕活動などの体験活動を積極的に推進していくこと、また学校におきます道徳教育などの心の教育を充実させていくこと、さらには、放課後子どもプランや非行等の立ち直り支援のための活動の場づくり、子供たちの居場所づくりの推進、こういう点についてより力を入れていきたいというふうに考えております。

■片桐裕 警察庁生活安全局長■

 今御指摘のありました政策評価書の意見の中には、必ずしも効果が上がっていないという分野として、一つは不良行為少年への対応、二つ目には初発型非行防止対策、三つ目には再非行防止対策の三つの分野が挙げられておりまして、これに対する取組を強化するように求められているというふうに承知をいたしております。
 警察庁におきましても、このような課題は重要であるという認識の下に従来から取組を進めてまいったところでございますが、一つ目の不良行為少年への対応につきましては、積極的な街頭補導に努めるとともに、関係機関、ボランティアとも連携しながら、社会参加活動とかスポーツ教室等を通じた少年の居場所づくりを進めてきたところでございます。
 二つ目の初発型非行防止対策では、学校に私どもの担当官が赴きまして、非行防止教室を開催するなどによって少年の規範意識の向上に努めますとともに、また、関係機関、団体と連携しまして万引き対策等を進めてまいったところでございます。
 三つ目の再非行防止対策につきましても、非行化した少年について継続的に指導、助言を行ったり、また、関係機関、団体と連携して少年サポートチーム等を立ち上げて、これによる立ち直り支援等を進めてまいったところでございます。
 こういった施策は少年の非行防止と健全育成を進めていく上で極めて重要でございますので、今後とも更にその推進強化に努めてまいりたいと考えております。
 このほかに効果を上げている施策としていじめ問題が挙げられておりますけれども、ただ、最近このいじめ問題、いじめで検挙される少年が増えているという傾向ございますので、これについては、学校、地域とも連携をしながら一層対策を強化してまいらなければいけないと考えております。
 それから、薬物乱用問題、これも大変効果が実は上がっておりまして、覚せい剤の乱用少年は大幅に減ってはいるんでございますけれども、他方で、合成麻薬でありますMDMAとか言っていますけれども、そういった合成麻薬を使用する事犯はこれは増えておりますので、こういった事犯の危険性を更にまた薬物乱用教室等を通じて広報していく等の対策を強めてまいりたいというふうに考えております。

■荒井和夫 厚生労働省大臣官房審議官■

 非行少年の再非行防止を図るためには、就労意欲のある者に対してしっかりとした就労機会の確保をしていくことが一つの有効な対策だというふうに考えられるところでありますし、また、総務省から公表されました今回の政策評価書においても、このような観点から就労機会の提供など支援の推進を図りつつあるということとなったものと考えております。
 私ども厚生労働省としましては、実は平成十八年度より、少年院を出院したり、また、保護観察処分の対象となった少年のうちで就労意欲の高い、就労意欲のある者に対しまして、ハローワークとそれから少年院、それから更生保護機関が連携いたしまして就労支援チームをつくり、その中でハローワークの担当者が担当制によってきめ細かい職業相談、職業紹介を行っていく、それからあと、事業主の協力を得て、仕事の経験のない若しくは少ない若年者のための体験講習、体験の場をつくってもらう職場体験講習、それからあと、仮に雇ってもらって三か月ほど試しの仕事をしてもらうというトライアル雇用、こういったことを実施いたしております。
 昨年度から立ち上げておりまして、徐々に月を追うに従って成果が上がってございます。これを今年度またしっかり前に進めて実績を出していきたいと思っております。

■松下新平■

 それぞれ御答弁いただいたんですけれども、大変分かりにくいことでした。これは、恐らくこういう堂々巡りということになるんじゃないかなと思います。
 そこで、菅総務大臣に最後コメントいただきたいんですけれども、確かに総務省が調査をされると、そしてそれぞれに投げ掛けると。総務省にはそれで権限はないということになろうかと思うんですけれども、じゃ、それをどのように是正したかというのをチェックするか。当然この委員会でもありますし、国民の目であろうと思うんですけれども、ただ、今のような答弁、説明では評価もなかなか難しいわけであります。
 報道機関にこういった報告をなされているわけですけれども、なかなかそれも大きく取り上げられることはなかったと思います。もうちょっと、総務省としてできることとしてはPRですね、こういったことをやったんだと、そしてそれぞれ国民の皆さんとか、それぞれ関係される皆さんを喚起して、やってもらうんだという姿勢が総務省として必要じゃないかと思うんですけれども、そのことについてお願いいたします。

■菅義偉 総務大臣■
 今の松下委員の質問を聞いておりまして、それぞれの役所の人たちが自分の役所のことを評価するのは、これ当然難しいなというふうに実は思いながら聞いておりました。
 私ども、この行政監視の評価でありますけれども、この評価というのは、総理を本部長としてすべての閣僚を構成する青少年育成推進本部の下で、関係府省、これと連携をして、今議論のありました少年非行対策を総合的、効果的に推進すること、このことを私の方から求めました。そして、当然、今後とも、今それぞれの省庁から意見がありましたけれども、関係府省、これ連携して行わなければこれはできないものでありますから、そうしたことは改善が図られていくだろうに私ども思っていますけれども、それと同時に、私どもの立場としてフォローアップというものをこれ是非していきたいというふうに思っております。
 そして、こうした評価を結果に結び付けられる、そういう仕組みにしっかりとしたものを構築していきたいというふうに思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
■松下新平■

 フォローアップ、是非よろしくお願いします。また、この委員会でも注視してまいりたいと思います。
 それでは、残りの時間で行政に対する苦情、二件ほど取り上げたいと思います。ちょっと急ぎになりますけれども、まず国家公安委員会規則第二号、犯罪捜査規範及び交通事故に係る簡易特例書式の運用要領についてお伺いいたします。
 これは平成十一年五月十三日に大阪府で発生した交通事故事案であります。あらかじめその資料はお渡ししておりますので、概略の概略で御容赦いただきたいと思いますが、これは同僚の尾立源幸議員の下に相談が寄せられたものであります。
 この交通事故は、平成十一年五月十三日に発生しました。信号のない交差点で横断中の歩行者に一時停止標識のある横の道路から急に左折してきた自動車が衝突したというものですが、歩行者、この被害者ですけれども、幸いにも軽傷であったということであります。これを後日、加害者と一緒に所轄の大阪府警西警察署に出向きまして事故を届けたようでございますが、実況見分調書、見取図作成に際して、被害者が現場検証への立会いを求めたんですけれども、担当の巡査から立会いを拒否されたということであります。
 さらに、検察官の再捜査指示によって被害者が平成十三年十月十五日に再び西警察署に出頭したところ、二度目の現場検証においても立ち会えず、被害者が立ち会わなかった一回目に作成された現場見取図も見せてもらえず、供述調書のみを取られたということであります。
 その後、この件で被害者は後遺障害に苦しむようになりまして、損害賠償請求訴訟を起こすことになります。その裁判は被害者である原告が結果的に敗訴しておりますが、それは今申し上げたような、立ち会いたかったと、それがかなわなかったということであります。
 この被害者が立ち会わずに作成された実況見分調書、被疑者の言い分のみが反映される可能性が高くて、果たして証拠能力があるかどうか疑問であります。これは全国の交通事故でも度々起きているということであります。今、犯罪被害者保護の観点からいろんな施策が講じられておりますけれども、まずこの交通事故の実況見分、どのような法令にのっとって行われているのでしょうか。お願いします。

■矢代隆義 警察庁交通局長■

 お答え申し上げます。
 交通事故は、これは刑法上、業務上過失致死傷罪ということになりますが、警察官は、犯罪に対しまして、刑事訴訟法の規定に基づきまして捜査することになります。実況見分はその捜査活動の一手段でございます。
 また、警察官が犯罪の捜査をするに当たりまして守るべき心構え、捜査の方法、手続その他捜査に関し必要な事項を定めた国家公安委員会規則がございますが、これは犯罪捜査規範でございますが、この中で、実況見分について第百四条に規定されております。「犯罪の現場その他の場所、身体または物について事実発見のため必要があるときは、実況見分を行わなければならない。」とされておりまして、これらは刑事訴訟法及び犯罪捜査規範に基づきまして行っておるわけでございます。

■松下新平■

 今御答弁のありました実況見分ですけれども、同百四条第二項では「実況見分は、居住者、管理者その他関係者の立会を得て行い、」と記されています。関係者の立会いが必要と明記されているのであれば、当然その関係者には立会い可能な交通事故被害者も含まれるのではないかと思います。しかし、本件の当の被害者は実況見分への立会いを拒否されました。それはどのような理由かとの質問に対する大阪府公安委員会の回答は、捜査書類の簡略化に対応して作成された交通事故に係る簡約特例書式の運用要領によるものであるということだったそうです。
 問題は、立会い可能な被害者が立ち会えずに、被疑者のみの証言のみで調書が作成されたことです。そこで、こうした疑念を抱かれることや被害者が泣きを見ることがないように法令を改正すべきではないかと思います。その他の関係者として含まれるように、犯罪捜査規範第百四条二項の文言を被疑者、被害者及びその他関係者と具体的な表記に変えるべきだと思いますけれども、警察庁の見解をお尋ねいたします。

■矢代隆義 警察庁交通局長■

 お答え申し上げます。
 御指摘ありましたように、犯罪捜査規範第百四条第二項ですが、実況見分は、居住者、管理者その他の関係者の立会いを得て行い、その結果を実況見分調書に正確に記載しておかなければならないと規定しております。
 御指摘の被害者でございますが、これはこの同項に規定しております「その他関係者」に該当いたします。実況見分の際だれを立ち会わせるか、だれの立会いを求めるかというのは、どのような実況見分を行うかという内容によるわけでございますけれども、交通事故の場合には、通常、事故の当事者でありまして、すなわち加害者と被害者ということになります。また、このほか目撃者の立会いを求めて実況見分する場合もあるわけでございますが、したがいまして、この「その他関係者」に被害者が含まれていることは、これは明らかでございますし、そのようにしておりますので、あえて犯罪捜査規範を改正して同項に被害者を加え、明示的に規定するまでの必要はなかろうかというふうに考えるところでございます。

■松下新平■

 この件についてはこれから請願等も上がってくるかと思いますので、その場でもまた取り上げたいと思いますけれども、そういった犯罪被害者の保護の観点から様々な問題も出ておりますので、再考をお願いしたいと思います。
 最後に、トンネルじん肺訴訟について、厚生労働省の今後の取組についてお伺いいたします。
 先月三十日にも、国発注のトンネル工事に従事したことによってじん肺になった元建設作業員の方たちが国に対して損害賠償を求めていた訴訟の判決が松山地裁で出されました。原告十六名に一律二百二十万円、総額三千五百二十万円を国に支払を命じた判決が出されました。
 全国で十一地裁で起こされておりますトンネルじん肺訴訟は、これまで東京、熊本、仙台、徳島、この各地裁でも判決が出されております。いずれの判決においても、じん肺対策を怠ったとして国の責任を認めております。国が五連敗であります。国は、これらの司法の判断を重く受け止めて、じん肺防止対策の抜本的な見直しに早期に着手すべきであると考えます。
 国、厚生労働省は、抜本的な対策として、労働安全衛生法を始めとする関係法令上の施策について交渉をするよう求めている原告団の方たちと面会することをかたくなに拒否しておりますが、まずこうした対応から変えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

■小野晃 厚生労働省安全衛生部長■

 まず、訴訟につきましては、私どもの立場としましては、これまでトンネル工事におきますじん肺対策について、それぞれの時代の科学的知見あるいは技術の状況を踏まえまして随時必要な対策を講じてきておりまして、じん肺防止の効果も上がってきているというふうに考えておりまして、地裁判決で言われるような省令制定権限の不行使はなかったというふうに考えておりまして、そのため、地裁で出ました判決につきましては控訴をさせていただいたところでございます。既に高裁での審理も始まっておりますので、国としては主張をしっかりこれからも行っていきたいと思っております。
 なお、裁判とは別に、将来に向かっての対策につきましては、最新の技術、知見を踏まえまして、じん肺をより一層効果的に防止するための対策の在り方は当然検討してまいりたいというふうに考えております。
 また、原告の方との面会の問題、今委員御指摘になりましたけれども、以前にも対策の在り方についてはいろいろお話合いをさしていただいてまいりました。ただ、この訴訟の中身についての問題につきましては、今裁判が進行中でございますので、その点についてはお話をすることは難しいということで申し上げているわけでございます。一般対策の在り方ついては担当部局においていつでもお話合いに応じますよと、こういう対応をしているところでございます。

■松下新平■

 何か冷たい答弁で残念なんですけれども、原告の方たちは国会に賛同議員を募っております。四月十日現在で超党派五百二十二名だそうです。実に全国会議員の七二・三%に及んでおります。また、全国の都道府県、政令指定都市、市町村からもこのようなじん肺根絶の根本的な、抜本的な対策を求める意見書が国に対しても出されているようですけれども、厚生労働省はその数を把握されているでしょうか。

■小野晃 厚生労働省安全衛生部長■

 お答えを申し上げます。
 地方議会から地方自治法九十九条の規定に基づきまして平成十八年に提出がございましたこのトンネルじん肺に関する意見書の数は百二十七件でございまして、全体の地方自治体の数に占める割合は約七%というふうに承知をしております。

■松下新平■

 ちょうど三月議会で意見書が採択されて今どんどん上がっているということでありまして、その数字もまた教えていただきたいと思います。
 今日は衆議院の方の委員会の関係で大臣の出席はかないませんでしたけれども、やはり政治判断、これを強く求めていきたいと思っておりますので、引き続き取り上げてまいりたいと思います。
 以上で質問を終わります。

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