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参議院農林水産委員会−
−「予算委嘱審査会」−
平成18年3月22日(水)
1.
米国産輸入牛肉問題について
@ 米国政府からの回答書の内容に対する所見
中川農林水産大臣
A 香港の混入問題に対する情報照会について
中川消費安全局長
B 香港の事例と日本の混入事例の検査官について
中川消費安全局長
C 日本版食品検査庁の設置と情報公開について
2.
攻めの農政について
@ 攻めの農政の計画目標と成果
佐藤総括審議官
A 参議院予算委員会での総理の答弁について
川村林野庁長官
B 積極的な輸出への支援について
川村林野庁長官
■松下新平■
民主党・新緑風会の松下新平でございます。
午後のひとときですけれども、しばらくお付き合いをよろしくお願いいたします。
先ほどの本会議でも出ましたけれども、昨日のWBC世界大会、第一回ですけれども、王ジャパン、見事栄冠をかち取ってくれました。選手を始め関係者に心から敬意を表するとともに、日本全体としてお祝いをしたいという気持ちであります。
まあ、実際この大会はこんなに盛り上がるとは最初のころは予想されておりませんでした。前半の方にちょっとしたハプニングがありまして、一つは韓国チームに二連敗した後の三度目の正直、そして米国審判によるミスジャッジでありました。
この中川大臣も会見で述べられていらっしゃいましたけれども、その米国と対戦するときに、その審判が米国では中立を、もう公正なジャッジとは言えないんじゃないかということはそのとおりだと思います。このことを即BSEにつなげることはいたしません。むしろ、私はチームワークの成果だと思っております。体力的にも劣っている日本チームが世界を相手に活躍できたのは日本人の粘り強さとか、個々の全員野球でかち取ったものだと思います。是非、停滞している農政ではございますけれども、この王ジャパンの活躍を是非取り入れて、明るい展望を期しながら今回の質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
細かい質問以外は是非大臣の方に答弁をお願いしたいと思っております。
本日の議題は来年度の農林水産関係の委嘱審査でございますけれども、私は、BSEの問題とそして攻めの農政、この大きな二つのテーマについてお伺いしたいと思っております。
まず、BSEの問題でございます。
先週のこの農林水産常任委員会、それ以降にも動きがありましたことを質問させていただきたいと思います。
毎週毎週このBSEに関しては動きがございます。先ほども出ましたけれども、先週の土曜日に、先週の土曜日ですね、日本政府からの質問書に対する米国農務省からの回答がございました。で、二日後の二十日に日本語版が出されまして拝見をいたしました。
この内容を精査いたしました。私なりに要約いたしますと、今回の混入事件は特異な事例と、対応を強化したことによって両国政府で取り決めた日本向け牛肉の輸出条件は問題なく守れるというものだったと思います。また、抜き打ち審査についての具体的な内容についても、この回答書では、頻度は過去の調査や輸出向け生産量によるなどとあいまいな表現にとどまるものでありました。米国側は、今週にも専門家を来日させて会合を開いて、輸入再開、再々開ですね、へこぎ着けたいようでございます。
そこで、まず中川農林水産大臣に質問をいたします。
この米国側の回答、特異な事例、先ほども質問の中で出まして、大臣は単純過ぎて異常という表現を使われました。まあ特異な事例というのは一般にまれなケースということであると思いますけれども、再度、中川大臣の、この米国側の特異な事例という表現を使ったことに対しての御所見をお願いいたします。
■中川昭一 農林水産大臣■
特異な事例、余り例がないといいましょうか、そういう意味で米国側は回答してきたんだろうと思いますけれども、特異な事例であろうがなかろうが、徹底した原因究明と再発防止を我々は求めて今日まで来ているわけでございますから、まあ特異な事例という言葉そのものについてどういう趣旨の言葉かは私としてはもう一々言葉の問題にはしたくない。さっき申し上げましたように、食肉処理業者あるいはUSDAの検査官がもう一目見たら分かる骨があって、それが脊柱であったということでありますから、余りにもこれは初歩的過ぎることでございまして、とにかくこの回答を精査した上で再発防止、原因究明に向かってアメリカ側がきちっとこのプログラムが遵守できるようにしていくべきだということで、今回答につきまして慎重に精査をしているところでございます。
■松下新平■
やっぱり思い起こしますと、この二年間、関係者の皆さんの御努力によってやっと輸入再開がなし得て一か月しかたっていないのにこういった事件が発生したわけであります。特異な事例ということで、言葉の問題ではなくて、そういった片付けることがいかがなものかと思うわけであります。さらに、この事例が発生しましてストップをされました。それから、質問書、米国側のこの回答書に対する質問書、やり取りをしている最中に香港での事例が発生したわけであります。特異な事例という表現でまた起きてしまったわけであります。
そこで、お尋ねいたします。香港での混入問題について、日本政府としてはそれぞれ香港、米国政府に照会をされているということをお聞きしております。約もう二週間たったわけでございますが、どのような形で照会をされてどのような回答があったか、若しくは中間的な報告があったのかをお伺いいたします。
■中川坦 消費・安全局長■
三月の十一日のことでありますけれども、香港政府の方から、米国のコロラド州にあります食肉処理施設から香港の方に輸出をされた牛肉について輸入対象外、輸入を認めていないその骨が混入しているというものがあったということで、その輸入停止について発表がされました。この日はたまたま土曜日でございましたけれども、翌その月曜日の十三日に外交ルートを通じまして、香港政府それからアメリカに対しましてこの今回の事件についての具体的な内容について事実照会を行ったところでございます。で、まだ今日現在それに対する具体的な回答が来ておりませんけれども、十三日に照会を行った後、更に十六日、それから二十日と、それぞれ早期の回答を待つと、これは私どもの方から督促をいたしております。
そういうことでございまして、両政府の方からは正式の回答は来ておりませんけれども、私どもとしてはできるだけ早くこの中身について情報を得るべく努力をしているところでございます。
■松下新平■
特異なケース、言葉じりをとらえるわけではありませんけれども、まああってはならないことが起きて、そしてその調査をしている最中にまた二例目が発生したわけであります。中川大臣も定例の記者会見の中で、ゼロから一、一から二ですから、これが百から増えるというのと訳が違うと、摩擦係数が大きいという表現をされていらっしゃいます。特異なケースと簡単に片付ける話ではないと。二回現実に続いているわけであります。しかも、情報が入ってこないわけであります。むしろ、米国農務省の方は、香港の方はそのパッカーだけを輸入停止したと、日本は全部を止めていると、日本は過剰な反応じゃないかというコメントもされています。日本政府は、催促はされているということでしたけれども、ただただ待っている状態で、特異なケースで、香港で二例目が発生しているのに情報が入ってこない、それは何らかの公表してはまずい内容が含まれてるんじゃないか、そう日本の国民の皆さんも感じていらっしゃる方も多いと思います。
この輸入停止を決めました米スイフト・ビーフ社のグリーリー工場は、米政府が日本向けの牛肉輸出を認可した三十七施設に含まれておりまして、昨年十二月に米国産牛肉の輸入再開をいったん決めた直後、農水省と厚生労働省の専門家が日本向けの輸出条件が守られているかどうかを査察した十一施設のうちの一つであります。このスイフト社はタイソン社などと並ぶ米国の四大食肉会社の一つであります。日本政府による査察団の受入れを真っ先に表明するなど、自社の管理体制の安全性に自信があることを強調していました。また、日本のこの脊柱の混入があったときには、それは中小の企業だと、大手ではないというコメントもされておりました。それが、香港の場合は四大食肉会社の一つであります。このことは特異なケース、これは情報をしっかり公表しないとますます不信が募るわけであります。
そこで、具体的に、この検査官ですね、このパッカーの検査官は香港の場合と日本の場合と同じ人物だったのでしょうか、お答えください。
■中川坦 消費・安全局長■
グリーリーにありますスイフトの工場というのはかなり大きな工場で、たしか一日当たりの処理能力、三千頭ぐらいだったかと思います。こういった大きな施設では検査官も複数名おります。
それで、香港に輸出がされたときの検査官とそれから日本向けにこれまで輸出をしたときの検査官とが同一であったかどうかといったところにつきましては、私どもまだ詳細な情報を得ておりません。したがいまして、的確に今の先生の御質問にお答えすることは今現在はできない状況でございます。
■松下新平■
先ほども申し上げましたけれども、情報がない中で一方的に特異な事例だと、それで納得できる話ではありません。一例目、二例目も発生しているわけであります。
今回のケースを考えますと、この日本の輸入に対する体制、このままではいけないと、そしていろんな各国の先進的な取組を参考にすべきだ、そういうふうに思っております。
カナダの食品検査庁の話を前回の委員会のときに申し述べました。もう一度申し上げます。食品安全委員会の組織を、現在のような形ではなくて、カナダの食品検査庁のように独自の事務局を持って、食品の安全のための検査官を自前で持つことで検査、査察などが行えるようなものに三条委員会として大幅に改編すべきだと、意見もございます。
照会をして回答がないと、催促しても回答がないということですけれども、こういった機関があれば独自に情報を入手して、そして的確に国民の皆さんに情報を提供できたんじゃないかなと、そう思うわけであります。過去にこの独立の検査機関といいますか、検討された経緯がありますけれども、このBSEの問題を契機に再度検討していただきたいと思っております。
この、前回、委員会でも指摘をいたしました検疫関係の申請書、ちょっと黒くマスキングされているものもお出しいたしました。情報社会において風評被害を食い止めるというのは困難であります。ですから、何かがあったからそのミスをしたところを公表するという消極的な情報公開ではなくて、常日ごろから公開をして、問題があったところ、それは原因をしっかり究明して、そこを何らかのペナルティーを科すと、そして全体的には信頼をかち取ると、そういった積極的な情報公開、このことを強く求めていきたいと思っております。
大臣も言われたように、国民が納得、そして説明責任は米国にあるわけですから、そのことを強く申し述べまして、次の質問に移ります。
二問目は攻めの農政についてお伺いいたします。
まず、攻めの農政、これは昨年、小泉総理が所信表明演説の中で打ち上げられた言葉だと、そして多くのところで取り上げるようになったと承知しておりますけれども、まずこの攻めの農政という言葉、これは具体的にどういうことを指していらっしゃるんでしょうか。よろしくお願いします。
■中川昭一 農林水産大臣■
午前中、WTOとかFTA、EPAの交渉で、攻めるところは攻めるというところを御質問いただき、答弁させていただきました。これも一つ、交渉に当たっての攻めということでございます。
それから、日本は世界一の食料純輸入国で、まあ農産物というのはもう輸入するものなんだと、日本人の体の六割は外国から来ているんだと。でも、それだけではなくて、日本の食料品、農林水産品、あるいはまた食材、食文化というのは各国でも大変高く評価をされているわけでございます。総理がよく答弁しておりますので、リンゴが何千円とかイチゴが何百円とかいうことを言っております。大変に東アジアあるいはアメリカでも売れているわけであります。日本は輸入と輸出の比率が二十対一、輸出は二十分の一しかないわけでありますけれども、まあしかし、昨年一年間を取りましても一二%輸出が増えている。しかもそれが単なる食材、水産物とかそういったものだけではなくて、和菓子であるとかいった食文化そのものが海外で非常に伸びているわけであります。そういう外国でもニーズの高いものをどんどん売っていこうということが攻めの農政の一つのポイントでございます。
といっても、いいものを作ったから売れるというだけではなくて、やはり、各地へ積極的に出ていって展示会をやったり試食会をやったりしたところがやはり需要が増えているということでもございます。そういう意味で、輸出を促進をして、去年から五年間で、約三千億弱だったものを倍にしていこうというのが総理の公約でもございます。
また、消費者に対しましても、作る側が消費者に対して積極的にいいものを知ってもらうという努力も、やっぱり国内でも消費者の皆さん、あるいはお子さん等に対して広い意味の食育というものも含めまして、国内的にも攻めの農政をこれからやっていきたいというふうに考えております。
■松下新平■
国内的にも集約、そして競争力を付けるという意味合いもあるとお伺いしておりますけれども、大臣がおっしゃったように、輸出の拡大、このことに脚光が浴びているわけであります。小泉総理も本会議場あるいは予算委員会でもこのことを引用されております。
攻めは最大の防御という言葉もありますし、停滞します日本の農業には一種のカンフル剤、精神論として期待されるところは承知しております。
そこで、お伺いいたしますけれども、昨年立ち上げられましたこの攻めの農業、特に輸出拡大に関しまして、どのような組織でどのような取組、計画を立てられて、まだ一年ですけれども、成果があったものは教えていただきたいと思いますし、まだ種をまいた部分もあると思いますけれども、そういうことも併せて御答弁をお願いいたします。
■佐藤正典 総括審議官■
お答えを申し上げます。
組織の関係でございますが、輸出の促進にかかわるということで、十六年の四月に輸出促進室というものを設けまして、さらに十七年四月には、全都道府県や あるいは農林水産関係の団体、さらには流通、観光、食文化といった幅広い関係者から成ります農林水産物等輸出促進全国協議会を立ち上げまして、民と官が一体となった取組を推進しているところでございます。また、予算面でも、十八年度の輸出関係の促進予算につきましては、十七年度が六億五千万円程度であったものを十三億ということで倍増いたしまして、こうした予算を効率的に活用いたしまして、今後とも取り組んでいくこととしています。
また、十七年度には、例えば展示・商談会というようなことで、中国あるいはタイ、韓国等で実施をしております。また、常設店舗の設置ということで、中国の北京、上海、あるいは香港、台湾、タイ等で常設店舗の開設を行っておりまして、まだいろいろ実際の商談等は進んでいる最中でございますけれども、現在のところで五百数十件の成約を見ておりまして、さらに、現在も進行中のものが相当程度あるということでございます。
以上でございます。
■松下新平■
先ほど二十分の一で一二%増えてきたと。是非この攻めの農業、輸出拡大、これは大きな期待が寄せられているところであります。
私がここで皆さんに是非お聞きしていただきたいのは、輸出拡大がどんどん事例を上げて進んでいる、そしてそこの携わっている農家はもうかっていると。ただ、現実にいろいろ実情をお聞きしますと、そうではないようであります。
恐縮ですけれども、三月七日に参議院の予算委員会において、加治屋委員からの質問を引用させていただきます。ちょうど加治屋委員は、要約いたしますと、森林の大切さ、そして現状をこの予算委員会の場で小泉総理に訴えられたわけであります。それに対して小泉総理は、森林の重要性について、森を守ることは海を守ること、サケやウナギを引き合いに出されて、また緑の雇用の実例を挙げて答弁をされました。
それはそれでいいと思うんですけれども、その後に宮崎の実例を挙げていらっしゃいます。私の地元のことで恐縮なんですけれども、要約いたしますと、杉、ヒノキ、最近の話ですけれども、中国、香港と日本の何倍かの値段で売れていると。あるいは、シンビジウム、これはランの一種ですけれども、日本では一鉢四、五千円、それが中国へ行くとその十倍の四万から五万円で取引されているという答弁をされました。
先ほど申し上げましたように、攻めの農政、このカンフル剤として使ってもらうには私は大いに結構だと思うんですけれども、この二つの事例、今から具体的に申し上げますけれども、実態とは懸け離れているようであります。
まず、この質問に当たりましては、所管される農水省がこの小泉総理の答弁に関して答弁書を、このような趣旨の答弁書を作られたのでしょうか。よろしくお願いします。
■川村秀三郎 林野庁長官■
国会の答弁のルールとして、総理に出ますと、その担当の部局が答弁を作成するということに基本的にはなっております。
■松下新平■
さらに、今私が事例等を出しました宮崎の杉、ヒノキ、そしてシンビジウムに関しましては事前に農水省がレクチャーをされたんでしょうか。
■川村秀三郎 林野庁長官■
今回の答弁に関してレクしたという事実はありません。事前にどこかでお聞きになったようなことをお答えいただいたんではないかと思っております。
■松下新平■
私は、この予算委員会の様子はテレビ中継されていました。そして、関係者の皆さんがそれを見てどう思われたかというと、とても冷ややかでした。これは何年か前の話、今は全く違う状況にあるという現実がございます。農水省としまして、この小泉総理の答弁で、修正あるいは何か手を加えることが必要だとは思われなかったでしょうか。
■川村秀三郎 林野庁長官■
総理の答弁の中で倍の値段で売れているといったような御答弁ありますが、これまでの実績の中で、例えば私どもの関係します丸太でございますが、日本の国内で一万円程度のものが中国で二万円程度で取引された事例はございますので、間違いではないというふうに思っております。
■松下新平■
間違いではないと私も思います。ただ、その後、林野庁の方ではその対応に苦慮されたという話もお伺いしております。
私がここで申し上げたいのは、私はこれは大きく二つの罪があると思っております。一つは、あたかも日本の農業は輸出でもうかっているんだということであります。現実は、申し上げたように生産者の方は全くそういった成果は出ていないところもたくさんあります。もう一つは、大多数が国内向けの農産品を提供しているわけでありますけれども、何か攻めの農業、輸出でやっていないところは怠慢していると、そういった何かイメージも植え付けられるわけであります。
加治屋委員は、その予算委員会の中で具体的に数字も挙げていらっしゃいます。立木価格、今から二十五年前ですけれども、杉の一立方メートル当たりが二万二千七百円、現在は三千六百円、六分の一であります。何十年もの間育て上げて、それは下払いとか、いろんなコストも掛かっております。その丸太の価格どころか運び出す運賃、手間賃も出ないというのが、この杉、ヒノキでは今現状なわけであります。
それを、この話をすり替える、飛躍させてごまかして、この日本の農林業の本当の実態に目を向けない小泉総理の姿勢に、私は農業に携わり、国政に携わる者として憤りを感じております。だからこそ、この農林水産委員会、そして所管の中川農林大臣を始めとして、しっかりこの現状を踏まえていかなければならないと思った次第であります。
そこで、木材の話をいたしましたので、若干説明をさせていただきます。
これまでの経緯なんですけれども、日本は世界有数の木材輸入国でありまして、米材、南洋材はもちろん、ロシア材、欧州材、そしてアフリカ、南米と、正に世界じゅうの森から大量の木材を輸入していることで知られています。御存じのように木材自給率は一八%が現状であります。拡大造林をした森林はたくさんあるんですけれども、使われておりません。森林、この豊かな森林が残っているということは単純に喜ぶわけにはいかないわけであります。日本の林業、林産業を低迷させ、山村経済にも悪影響を与えております。また、生物多様性の低下や土壌の消失など、森林環境を悪くしている面もございます。
一方で、今回輸出先となった中国の方は木材不足が深刻化しておりました。元々中国は森林が豊かな国ではなかったわけですけれども、今後見込まれる北京オリンピック、上海万博などの開催が建設需要を高めると予測されています。しかし、水源地に当たる奥地の森林伐採が進んだ結果、大水害が発生しております。約二億三千万人が被災したとされるのは一九九八年の長江でありました。これを機に、中国政府は天然林の伐採を全面的に禁止したわけであります。そして、外材の導入に大々的に踏み切って、輸入という意味では日本を抜いて実質的に世界一に躍り出たわけであります。それにまた日本は目を付けて輸出をしようという試みをしたのがちょうど三年少し前でございます。二〇〇三年十月が本格的な日本木材の中国輸出がスタートした年であります。
やはり、これは宮崎の事例でしたけれども、この貿易のトラブルというのはいろんなところで出ておりました。想定外の問題が次々と発生しております。この積荷の要領が分かっていなくて傷が付いたり、ちょうど夏に伐採したものは含水率が高いわけでございますけれども、いろいろカビが発生したり、虫食いが発生したり、いろいろトラブルも出ております。また、中国の機械、これがなかなか充実しておりませんで、製材ということでは商品にならなかったという話も聞いております。
これは一つの例を引き合いに出しました。中国側からはもうどんどん輸出してほしいと言われるそうです。でも、その代わり、製材して日本が引き取ってほしいということであります。いわゆるブーメラン効果ですね。これでは本末転倒なわけであります。一部商社の中には、営利目的のためにそれでも構わないということでそれをされているという話も聞いております。これは、小泉総理あるいは日本の農政が目指す攻めの農政には当たらないと思っておりますので、この現実をしっかり見極めること、これは大切だと思っております。
幸い、川村林野庁長官は南九州の出身で、宮崎にも生活をされていらっしゃって、そして宮崎のこの在京のいろんな会合にもお出ましいただいて、南九州の実情もよく把握していらっしゃると思います。地元でもその期待は大変大きいわけでございます。
質問といいますか、是非この現状、小泉総理が使われる悲観的なものからは何も生まれない、それは確かにそうでしょう。しかし、現実の農業、林業に目を背けては何ら解決はいたしません。今まで先輩たちがいろんな作物ごとにいろいろ工夫して事業を組み立ててきたのがこの農業であり、この難しさであるわけです。小泉総理の言うように、精神論だけで乗り切れたら我々政治家も要らないわけであります。そのことを是非、川村林野庁長官、就任されたわけですので、是非お願いしたいと思っております。
■川村秀三郎 林野庁長官■
今、松下議員から輸出についての問題点等をるる御説明いただきまして、御指摘の点、確かにあるかと思いますが、私どもの方から少し補足をさしていただきますと、確かに輸出というのは一直線にスムーズな形では伸びないと思います。
そういった積荷のときのトラブルも最近では大きな板を敷くことによって解消して改善をしたとか、そういう報告も受けておりますし、それからこれまでは丸太という輸出だったんで、なかなか価格面でのメリットが少なかったわけでございますが、これまでいろんな県が取り組まれておりますのは、例えばモデル住宅を向こうで展示をして、もっと付加価値を付けた部材として輸出していくとか、それからまた杉を使うことによって非常に健康上いいんだということで福祉施設等に内装材で使うといったような、そういった付加価値とかストーリーを作って輸出をするといったようなこともされておりますので、私どもはこういったトライをして、もちろん一直線に伸びないと思いますけども、やはりいろんな可能性はありますし、非常にこれは私どももチャレンジをする。そしてまた、国内がまたそれに向かって元気になっていくという一つの大きな道だというふうに思っておりますので、引き続き努めてまいりたいと思っております。
■松下新平■
是非よろしくお願いします。
中国もシックハウスの問題とかも出ていると聞きますし、あるいはカナダの事例ですと相当国策として手厚い支援をしていると。要望としては、中国の方に国産材でレストランとかを設置していただいて、また即売会とか併設してやっていただくこと、これも是非攻めの農政の方で検討していただきたいと思います。
るる申し上げてまいりましたけれども、日本経済は十数年ぶりに明るさが確実なものになってきたと言われておりますけれども、地方経済、農業はいまだに北風にさらされております。地方経済が冷え込んで、農業は更に厳しいダブルパンチが現状であることは申し上げました。
ホクレンの生乳、産廃として処分した映像を拝見いたしました。私も先々週ですかね、帯広に行きまして直接お話をお聞きしましたけれども、拡大ということでお金を借りて畜舎を増築して、さあこれから牛乳の方を供給しようとしたやさきに今度は過剰だということで処分、あるいはその乳牛をまた殺処分しないといけないということは、生産者としては本当に情けないやら当たり場所がないというのを直接お伺いしております。これは全国の地方の農業が抱えている問題でもあります。
食を担う農業は必死で変化に対応しようとしているのは事実でございますけれども、追い付いていないのが現実であります。まだまだ補助金のばらまき、これはいろんな批判がありましたけれども、それによって足腰の弱い農業から脱していない。私も農業を携わってきた者として反省もしながら、現実を見据えているわけであります。申し上げましたように、農業の問題は本当に精神論だけでは片付くものでは当然ありませんし、今までの先輩たちの知恵、そしてあるいは未来産業としての農業をどう肯定的にとらえていくか、様々な英知を結集して取り組んでいかなければならないというのを強く思いました。
中川農林大臣におかれましては、WTOの農業交渉、最終的なもう詰めに入りますけれども、是非、先ほど話がありました、外国で中川大臣は影響力があるということでありました。是非外交手腕を発揮されて、この日本の農業を立て直し、再生のために先頭になって頑張っていただきたい。もちろん私たちもそれぞれの役割をしっかり果たしてまいりたいということを申し上げまして、質問といたします。
ありがとうございました。
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