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参議院災害対策特別委員会−
−延岡市の竜巻災害等に関する質問−
平成18年11月1日(水)
■松下新平■
民主党・新緑風会の松下新平です。私、九州の宮崎の選出です。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、本日、新しく大臣に就任された溝手顕正大臣、初めて質問をさせていただきます。大臣は参議院にも籍を置いていらっしゃいますし、院の運営にも深い御理解もございますし、また地方の行政にも携わってこられました。そういった面から、意を強く思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今日から十一月であります。被災地の選出の先生たちはようやく台風シーズンから逃れられたという気持ちもおありじゃないかなと思っております。今年も七月の豪雨災害、そして台風十三号、先日の低気圧による大雨等々で多くの被災が発生しております。改めまして、お亡くなりになられました皆様に御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
また、被災当時、ボランティアの皆さんあるいは地域の方々、役所の皆さん、災害復旧・復興に御尽力をいただいております。また、今もなおその職務に御尽力いただいている皆さんに感謝と敬意を表する次第であります。
先ほど西島先生のお話にもありましたけれども、新潟中越被災、大臣所信の中にも触れていただいておりますが、二年たってもまだ不自由な仮設住宅の暮らし、そして三年目の厳しい冬を迎えるということであります。それを思うと、安倍政権が「美しい国、日本」、それを目指すということはすばらしいことですけれども、その基本である生命と財産、そういったものも私たちは政治の場で真摯に受け止めて、行動、発言していかないといけないというふうに改めて思っております。
先日ニュースで、一部の小学校が、校舎が相当被災したんですけれども、復旧して、子供たちがそこにまた帰ってきて学校生活が始まったという報道もありました。やはり一刻も早い復旧をしなければ、その学校もそして地域も元の状態に戻るのが難しいということをいろんな方から聞いております。やっぱり、今までも取り組んでいただいておりましたけれども、スピード感を持ってこの復旧・復興に当たっていただきたいということを私からもお願いしたいと思っております。
さて、本日は最初の溝手大臣に対する質問ですので、この災害に対する意気込み、考え方をまずお聞きしたいと思っております。
私もこの委員会におりまして、全国の被災地を被災直後回らせていただきましたし、地元も昨年、今年と多くの被災地を回っております。その中で、私はいろんな方の御意見をお伺いし、またこの支援の協議をする中で一番強く思いますのは、不可抗力であるということであります。その人たちに何の責めもない中で、この自然災害、降ってわいたこの被害をどう国としてあるいは地域として考えるかということが大事でありますし、私は、少なくともこの原状の回復、被害が起きる前の状況に、先ほどから出ております自助、共助、そして公助、この三助のトータルバランスで戻すべき、そういった強い大臣からのメッセージがなければ、今、現実問題として、被災をした地域、そしてそこに生活する方々が、原状の回復どころか、もう明日の生活の意欲さえもそがれているという状況がありますので、私はこの災害に対する考え方、不可抗力だからこの三助のトータルバランスで原状の回復まではするんだと強いメッセージが必要だと思っております。これはまあ考え方ですので、一方には自然災害だからこれはやむを得ないんだという考えもあるかもしれませんが、地方の実情ではやはり大臣の強いメッセージが求められていると思っております。
まず冒頭に、大臣がこの災害に対してどのようにとらえ、そして取り組まれていくお考えなのかをお聞きしたいと思っております。
■溝手顕正 防災担当大臣■
災害復旧の考え方、災害対策の考え方については本当に難しい面が多いと思っております。予防の段階から、また応急対策、復旧・復興のあらゆる段階において、おっしゃられましたように自助、公助、共助というのが連携して動いていく、それぞれの役割を果たしながら取り組んでいくことが必要だと思っております。
また、御指摘がございましたように、時間との勝負、タイミングの問題も非常に重要なポイントだと思いますので、いかに政府の調査団を速やかに派遣するなり、あるいは法令の適用を速やかにやるなり、政府としてもいかにスピーディーに対応していくかということも極めて重要な要素だと思っております。また、地方公共団体に対する要請も必要だと思います。被災者支援に係る各種制度の活用をどう考えていくかということも考えないといけないんだろうと思っております。
ただ、最後、住宅の被害、個人の財産の被害の問題になりますと、様々な問題点が出ているということは事実でございまして、なかなか一〇〇%の復旧というのは問題点が残っているということは十分承知をいたしております。それをどうやって対応していくかということが政治の責任なんだろうと思います。是非とも持てる力をフルに総合的に活用して対応していくと、現時点ではそう申し上げるしかないんですが、できるだけの総合力の発揮によって対応していきたいと、このように思っているところでございます。
■松下新平■
お話で申し上げましたけれども、天災だから仕方ないという考えもあったかもしれませんけれども、現状は、やはり緑のダムとして機能していた森林が崩壊しております。また、三方張りで、結局鉄砲水も発生しております。
地域を見ますと、少子社会の中でなかなか行政コストが掛かる中で厳しい財政運営もあります。地域の経済も冷え込んでおります。そんな中で、ぎりぎりの生活をする中で災害が起きるという現実の中で、この災害対策、どう考えていくかというのを、今日、委員の先生たちもそれぞれ考えていただきたいというふうに思っております。
大臣からは、私は申し上げましたけれども、被災地に対しては、この公助、国の責任ですべて原状を回復するという意味ではなくて、公助、自助、共助、このトータルバランス、都道府県、そして市町村との連携のことも言われましたけれども、その中で、原状回復はするんだという強いメッセージがあれば、地方は、地域の人たちは、被災者の皆さんはそこからやっぱり元気が出てくるということを強く申し上げたいと思っております。
では、次に参ります。
今日は気象庁の方からもお越しいただいております。今年災害が起きた中で台風十三号、とりわけ宮崎の中では竜巻が発生をいたしました。竜巻の現場を見られた方は少ないんじゃないかなと思っております。実際、この議事録で竜巻を正面から取り上げていることもほとんどありませんでした。どうも竜巻というとアメリカのトルネードですね、そういったイメージで、よその国の出来事ということが私も含めてあったわけですけれども、実際、今年の夏、台風十三号接近に伴って宮崎県で三か所発生いたしました。延岡市、そしてそのちょっと南の日向市、そして南の方の日南市でありました。特に延岡の方ではこの竜巻の発生により三人の方が亡くなられておりますし、皆さんもテレビでごらんになったかもしれませんが、JRの車両、四十トンもある重さなんですけれども、それが横転するという、そういった状況がありました。私も直ちに現場に参りましたけれども、表現するのはちょっと難しいんですけれども、かわらが飛んで壁に突き刺さっておるんですね。そういった、もう何かこう戦争の後のような状況であったわけであります。
この竜巻災害、延岡の方ではちょうど中心街を通りました。時速九十キロぐらいで通り過ぎたと言われております。幅が五十メーターから二百五十メーター、長さが五キロぐらいというふうに地元の気象台は発表されております。これも、その被災があって、それからいろんな現場の状況を調査されての発表でした。
当時は、九月十七日、日曜日でした。台風が接近するということで、皆さんやっぱり警戒されていらっしゃいました。いろいろお話を聞くと、おうちの中にいらっしゃった方は、台風接近ですから雨風が強くなったりやんだりという繰り返しですけれども、ちょうど竜巻の来る前はすごく静かになるそうなんです。そして、家にいたら、窓ガラスが一斉にがたがたがたと震え出して、一斉にぱりんと割れると。皆さん何事だと、初めての経験ですから、そういった状況がありました。また、外にいらっしゃった方は、鳥の大群が押し寄せてくるような、これは恐らく竜巻によってごみとか物が舞っていた状況じゃないかなと思います。
そういった竜巻の状況、今日は気象庁からお越しいただいておりますので、なじみのなかったこの竜巻に関して、国内での発生の状況、そしてまたメカニズム、どういった研究をされているか等についてお伺いしたいと思います。
■平木哲 気象庁長官■
竜巻の発生数についてお尋ねがございましたが、全国で発生が確認されている竜巻の数は、平均して年に二十個程度でございます。このうち、気象庁では被害をもたらした竜巻の数を取りまとめておりますが、昭和四十六年から平成十七年までの三十五年間に全国で四百八、年間の平均では十個程度でございます。
それから、竜巻の発生する仕組みでございますが、竜巻は活発な積乱雲の下で発生しております。約直径数十メートルから数百メートルのじょうご状又は柱状の渦巻でございます。台風の周辺や発達した低気圧に伴って発生することが多いという事実が知られております。
それから、研究のことについてお尋ねがございましたが、大学始め内外の研究機関と連携しながら今、気象レーダー等のより有効な活用を進めて、その竜巻を含む、突風の発生の可能性につきまして予測するということを今開発を進めているところでございます。
■松下新平■
メカニズムという意味ではまだ解明されてないところもあるということでした。産学官の連携もありますし、諸外国との情報交換、そういったので是非研究を進めていただきたいと思っております。
特に災害の中でも、予防というか、その準備ができていないのがこの竜巻でありました。さっき申し上げましたように、いきなりそういった、もうガラスが割れるというのが竜巻の恐ろしさでありますので、そういった研究開発にも力を入れていただきたいと思っております。
それでは、この竜巻に関して、ちょっといろんな国の支援策についての問題点を指摘させていただきたいと思っております。
この竜巻も含めて台風十三号であったわけですけれども、先ほど、農業分野に関しては本激、来週中にも閣議決定されるというお話でありました。そのことは大変有り難いと思っておりますが、この竜巻による被災は、延岡市の場合は商店街が大体一割程度その割合がございますし、また住宅の方の被害もありまして、農業以外の分野もこの激甚災害指定を受けて、それでいろんな支援のかさ上げを期待しているところでもあります。
竜巻というのでいろいろ、激甚災害のいろんな要件がありますけれども、竜巻自体がこの要件になかなかそぐわないという現実問題がございます。竜巻の適用を前提にした激甚災害、この規制緩和についてもお考えいただきたいと思っておりますけれども、大臣の方で御見解がありましたらお願いいたします。
■溝手顕正 防災担当大臣■
お申し越しの点は二つかと思いますが、商店とか中小企業の問題はどうなのかということと、竜巻の問題をどう考えるかということだろうと思います。
激甚災害の指定におきましては、中小企業あるいは商店等にかかわる被害は指定基準を満たさないということで適用が非常に難しいということを中小企業庁から報告を受けているところでございます。
また、竜巻の問題でございますが、竜巻は非常に特殊な形態の被害を与えるということのようでございますが、復旧の方、我々、激甚災害の指定には原因というのは特にこだわっているわけではございませんし、発生した損害額、被害額や復旧にかかわる事業がどうかという観点からこれを検討することにいたしておりますので、竜巻によりましても、だからといって不利益になるとか得をするとかというようなことはないと考えているところでございます。
■松下新平■
実際の被災した状況を調査して、それで適用基準を、適合するか、そして決めていくという話でした。
ただ、申し上げたように、竜巻というのは、面的な部分は少ないかもしれませんけれども、一個一個の被災はかなり激しい、大きいものがありますので、この激甚指定の在り方そのものも竜巻には想定していないと言わざるを得ません。そういった意味からも検討していただきたいと思っております。
関連しまして、特別交付税、この増額について、今日は総務省からお越しいただいておりますので、その御見解をお願いしたいと思っております。
被災した市町村については、特別交付税の増額、そして交付の前倒しを要望する声が強いわけであります。災害被災者への独自での支援を実施するなど、災害が発生した地域の市町村では住民のためにできるだけ手厚く支援をしようと努力するところが多いわけです。
災害による特別な財政需要が生じた場合、特別交付税が交付されることになっております。しかし、延岡の場合を申し上げましたけれども、昨年の台風十四号でも被災いたしまして大きな水害が発生して被災しております。その昨年の災害復旧もできない状況でまた今回の竜巻だったわけであります。毎年の特別交付税の交付時期は十二月と三月となっております。延岡市では、申し上げましたように二年連続しての被災ということもありまして、財政的にはかなり大変なことになっているようであります。地元からは特別交付税の増額、この強い要望が出ております。
こうした疲弊した市町村に対して、これは延岡の事例を出しましたけれども、全国でもこういった例があると思いますけれども、こういった特別の配慮について総務省の考えをお願いしたいと思っております。
■椎川忍 総務大臣官房審議官■
ただいまお話がありましたように、今回の竜巻が我が国においては非常に珍しい災害である、しかも今回の竜巻が過去に例を見ない強烈な竜巻であったということで、大変、地元延岡市の方々、応急対策や復旧対策に御苦労しているということを直接私も伺っておるところでございます。また、今御指摘ありましたように昨年の水害ということもございまして、大変にこの延岡市の財政状況は大変であるというようなことも併せてお伺いをしているところでございます。
私どもといたしましては、特別交付税の算定に当たりまして、こういった被害状況や財政負担の実情などをこれから十分にお伺いをして、地方交付税あるいは地方債も含めて各般の地方財政措置を講じまして、その財政運営に支障を生ずることのないように適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
■松下新平■
是非よろしくお願いいたしたいと思います。
続きまして、この公助の部分であります被災者生活再建支援法の指定基準、これが竜巻の被災にどう適用していただくかということについて防災大臣にお伺いしたいと思っております。
この竜巻による被災者への支援が実態に合っていないという声を被災地から強くいただいております。特に被害の認定基準、これに合っていないということであります。
現在の被災者生活再建支援法では、支援対象の適用対象となる世帯を全壊世帯及び大規模半壊としております。また、災害救助法では半壊以上を対象としております。この竜巻の被害は、竜巻によって巻き上げられて起こるものが多くて、被災の様態が地震災害による被災と大きく異なっております。例えば、この竜巻によって巻き上げられた屋根がわらなどが凶器のように人家を襲っていると先ほど申し上げましたけれども、壁やガラスを突き破るといった被害が相当起きております。こういったのが、竜巻特有の被害が多かったわけであります。このような被害に、従来の被災者生活再建支援法、災害救助法といった被災者支援のための法律に準拠して作られた被害の認定基準と合致しないケースが多く見受けられました。
災害の被災認定基準は、昭和四十三年六月にそれまで関係各省庁の通達等で定められていたものを統一して策定され、通知されていらっしゃいますけれども、長い年月が経過して建築基準や住宅構造の変化などに伴って実情と合わなくなったために、幾つか改正されております。平成十三年六月二十八日、さらには平成十六年四月一日、被災者生活再建支援法の改正によって大規模半壊が創設されました。再度見直しもされています。しかし、これら基本的に、主に柱などの基礎部分の被害が認定基準となっております。竜巻のように、申し上げたように二階の部分が大きな被害を受ける、そういったものには対応しておりません。基礎部分の被害が少ないと大規模半壊に認定されないという指摘もございます。
このことについて専門家からも、これは竜巻がこの支援法にそれぞれ適合していないと、そういったケースを想定していない法律であるという指摘もされておりますけれども、そもそもこの指定基準、これは竜巻を想定してないのかどうか、そのことについてお伺いしたいと思っております。
■増田優一 内閣府政策統括官■
技術的なお話でございますので、私の方から御答弁させていただきます。
今、先生からお話がありました災害の被害認定基準、あるいはそれの運用指針についてのお尋ねでございますが、被災者生活支援法等の法適用の前提になりますのは、御指摘のように住宅の被害の認定がスタートになります。その住宅被害の認定そのものは地元の市町村が行うわけでございますが、今申し上げましたように、それに基づいて各省中心になって作りました基準とその運用指針があるわけでございます。ただ、これはあくまでも自然災害に対して住宅が被災した場合の被害認定の基準でございまして、決してこれは地震向けでありますとか水害向けでありますとか、あるいは竜巻を想定したというものではございません。
ただ、実際にはどうしてもそれぞれの災害特性がございます。例えば、今御指摘ありましたように、竜巻特有の突風でありますと、かわら、ガラスなどの飛散物によって屋根や外壁、窓ガラスに大きな損傷があると。その上で、中の建具、内壁にも影響があると。そういうことがありますので、私どもこの運用に当たりましては、元々基準も運用指針もある程度幅を持って作っているものでございますので、その災害特有に即応して柔軟に対応していただきたいということをこれ、これまでも市町村向けに指導をさせていただいています。
今回のケースにつきましても、実は現地に建築の専門家を派遣いたしまして、その後、延岡市さんの方とも十分に調整させていただきまして、御不満のないような形で即応した対応ができるように今までやってきたつもりでございます。ただ、御指摘のように、なおまだ被災者の方で御不満があるということがございましたら、是非、延岡市を通じて私どもに言っていただきまして、御納得いただくような形で認定ができるようにこれからも指導してまいりたいと考えております。
■松下新平■
かなり不満があるから私はここで取り上げているわけでありまして、実際、災害救助法の対象になったのは全体の三〇%、更に被災者生活再建支援法の対象になったのは全体の一四%でしかなかったわけです。
これは、担当の認定される方も何とかその対象にしたいということで考えていらっしゃいました。しかし、その認定基準というのが国が定めた基準がありますから、それに合致しないというのが現実の問題でありますので、災害のいろんな種類がございます、台風災害はある程度予防もできるわけですけれども、この竜巻というのは、本当にあるとき突然どこに来るか分からないと、メカニズムも解明されていないと言われましたけれども、そういった性質のものでありますので、私はもっと柔軟にこの適用基準を、竜巻のケースも、いろんな想定を入れていただいて考えるべきだということを指摘しておきます。
次に、今竜巻のことをずっと取り上げてまいりましたけれども、更に大きく、この被災者の皆さんからの切実な率直な声というのをお伝えしたいと思っております。
大きく幾つかここで取り上げたいんですけれども、一つがこの被災者生活再建支援法の所得制限です。これさっき、延岡のケースですと一四%しか適用にならなかったと言われておりますけれども、ほとんどが所得制限でこの対象にならないというケースですね。やはり高額に納税される方は比較的その住宅も大きいわけで、大きいがゆえに被害も大きく出ております。その方々は、税金をしっかり納めているんだから、困ったときにこそ税金で対応していただきたいという率直な声もあるわけですけれども、実際この支援法の対象になっていないという現実がありますし、また、その住宅に例えば四人で生活していて、それぞれ給与があった人はそれだけでも簡単に所得制限をオーバーしてしまいます。そういった個々のケースがあります。また、そこに住んでいないケースがありますよね。空き家になった状態、廃墟ですよね。そのケースは、実際被災しても取り壊す費用も出ないという現実もあります。
そういった様々な声をお伺いして、私は冒頭に申し上げましたけれども、国だけではありません。自助も共助も含めてトータルバランスの中でこれは不可抗力だと。だから、災害の起きる前の状態には戻すんだという強いメッセージがなければ、私はこの地域の実情を申し上げましたけれども、これから頑張ろうという気にさえもなっていないという現状を見たときに、私はそういう観点から見たら、当然所得制限も撤廃するべきですし、あるいはもう店舗の話も出てまいりましたけれども、そこで商売を営む方がいらっしゃるわけです。生活は再建できても仕事がなかったらそれは営みとして成り立たないわけですから、そういったことも含めて今回の竜巻を契機にまた考えていただきたいと思っておりますけれども。
そもそもこの所得制限の緩和、申し上げました住宅本体の建築費も対象になっておりませんけれども、その立法趣旨と申しますか、いきさつもお話しいただきたいと思っております。
■増田優一 内閣府政策統括官■
御指摘のありました被災者生活再建支援法、一昨年大きな一部改正がございまして、御指摘の居住安定支援制度がスタートしたわけでございます。このときも様々な議論がございまして、この改正趣旨を一言で申し上げますと、住宅の再建というよりはむしろ居住、つまり住まい、生活の再建ということに主眼が置かれたということでございます。ですから、被害額の程度とかには関係せず、むしろ真に生活再建、居住を再スタートするのを支援しようということで制度が仕組まれているわけでございまして、どうしてもその際に、例えば経済的な理由でありますとか、あるいは高齢者であるとか、そういった自力ではなかなか生活の再スタートが難しい、居住を再開できない方に一定の支援をしましょうということで制度が仕組まれたというふうに私ども承知をいたしております。
したがいまして、御指摘がありましたように、収入要件でありますとか年齢制限が設けられたということと同時に、実はこれはその住宅の所有が持ち家であれ、借家であれかかわらず、そこにお住まいの方の生活再建ということで制度が仕組まれているわけです。したがいまして、住宅本体というよりは生活の基礎そのものに着目した制度になっておりますので、住宅そのものは対象にしないで、例えば住宅ローン、利子の問題でありますとか、あるいは実際に被災された住居の撤去費用でありますとか、そういった生活再建のために必要な関連経費を居住安定資金ということでお出しするということになったわけでございます。
ただ、先生御指摘のような問題は常々この委員会でも議論されております。また、法改正の際に、施行後四年を目途として抜本的な見直しを行うんだということも附帯決議されておりますので、今後、引き続きそういった御意見も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
■松下新平■
今のお話を聞いていると、被災した方はその生活のレベルが元に戻るんだというような錯覚に陥りますけれども、現実は全く違います。申し上げましたように、その対象にならないわけですから、皆さん本当に御苦労をされていらっしゃいます。店舗を持っていらっしゃる方が今回のケースは多かったんですけれども、もうとにかく仕事ができない状態も続きました。あるいは、融資にしてもやっぱり返さないといけないわけですから、後継者の問題もありますし、更に頑張ろうという気まで行っていないという声もたくさん聞いております。
ですから、申し上げたように、私はその被災者側に立って、不可抗力ですから、あくまでも。だから、生活の被災をする前の状況に戻すというやっぱり強いメッセージがやはり今の防災対策として強く求められているというのを感じます。
最後に、大臣に御答弁いただきたいんですけれども、今実際、地球温暖化の影響でしょう、毎年のように特に九州の方は台風災害が起きております。そして、その規模も大きくなっておりますし、今は台風シーズンが去ったといいますけれども、またすぐ春が過ぎて、この六月、七月となるとまたその時期を迎えるわけで、皆さん本当にもう今年も来たらもう生活ができないという切実な状況に来ておりますので、私は、自然災害でありますけれども、大臣のこの公助、自助、共助、このトータルバランスで原状の回復はするんだと強いメッセージがあれば、私はおのずから一つ一つの支援法の考え方も見直されるべきですし、一番はそれが被災された皆さん、そしてそれを周りから見ている皆さんの栄養剤になると思っておりますので、再度、大臣からの強いメッセージをいただきたいと思っております。
■溝手顕正 防災担当大臣■
先ほど来よりいろいろ議論をしてまいりましたように、災害対策については、予防、応急対策、復旧・復興、それぞれの段階で御指摘のように自助、公助、共助がしっかり連携してそれぞれの役割を果たしていかなくてはいけないんだろうと思っております。今後とも、おっしゃられた趣旨にのっとって一生懸命頑張ってまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、先ほどの被災者生活再建支援制度というのは、非常に大きなつかみ方をしますと三百万をどうするんだということが最後の詰めになってまいるんだろうと思いますし、できるだけ被害者の生活状況に心を致しながら対応していかなくてはいけないことだと私はとらえております。
いずれにしましても、関係省庁あるいは地方公共団体、お互いに困った人を一刻も早く助けようじゃないかと、そんな気持ちで取り組んでまいりたいと、このように思っております。
■松下新平■
今最後に地方公共団体の話がありましたけれども、独自で基金制度を設けてスタートをしていらっしゃるところもあります。また、兵庫県のように共済制度を設けているところもあります。そういった全国の状況、国と地方自治体、それが公助になるわけですけれども、その連携もうまくいっているとは言えません。そういったところも含めて、それは公助の部分、そして共助の部分、そして自助はそれぞれ自己責任、また保険とか貯蓄とかいろいろあるでしょうけれども、そのトータルで被災した場合には被災する前の状況に戻すということが大前提で、それで施策を打ち出していくということを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。
よろしくお願いいたします。
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