−
参議院予算委員会−
−予算委員会一般質問に初登壇−
平成17年3月11日(金)
■松下新平■
民主党・新緑風会の松下新平です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、町村外務大臣にお伺いいたします。
一昨日、ブッシュ大統領から小泉総理大臣に電話での電話会談がございました。その内容を教えてください。
■町村信孝 外務大臣■
九日の夜、日米電話首脳会談行われたということでございます。その際に、北朝鮮の問題、あるいはいろいろな問題が議論された中に、牛肉貿易再開問題についてもやり取りがあったと聞いております。
■松下新平■
北朝鮮問題、そして新聞報道では中東和平などのことについても言及されたようですが、やはりBSE問題、今話題のですね、米国からの輸入再開のことが話されております。
そこで、関係される三閣僚の皆さんにお伺いいたします。
この会談を受けて、小泉総理から直接又は間接このことについて指示あるいは説明があったでしょうか。まず尾辻厚生労働大臣、お願いします。
■尾辻秀久 厚生労働大臣■
指示は一切ございません。その後の指示は一切ないということでございます。したがいまして、かねてこの問題については科学的知見に基づいてきっちり対処するようにという御指示を受けておりますから、その指示どおりだというふうに考えております。今もその指示が、指示どおりであるというふうに理解をいたしております。
■松下新平■
続きまして、島村農林水産大臣。先ほど、直接小泉総理からはああしろこうしろということは言われてないということでしたけれども、間接的に、あるいは御自身がそれを受けて何か行動されたことはないんでしょうか、お願いします。
■島村宜伸 農林水産大臣■
尾辻さんと同じ御答弁になりますけれども、今回の会談を踏まえての具体的に指示は全くございません。
ただ、委員も御承知かと思いますが、総理からは、この問題に取り組む前の段階から、あくまで科学的知見に基づいて食の安全、安心を第一義に是非着実にこの話を進めてほしいと、それ以来何もありませんが、むしろ、何もないことをむしろ責任の重大さに置き換えて我々は取り組ましていただいております。
■松下新平■
続きまして、棚橋科学技術、食品安全担当大臣にお伺いします。
本日、午前中に食品安全委員会が開催されたそうであります。その内容も併せて、そして同じく小泉総理から具体的な、そして間接、そして直接も含めて、指示若しくは説明があったかどうかもお願いいたします。
■棚橋泰文 科学技術・食品安全担当大臣■
お答えをいたします。
まず総理からの会談後の指示でございますが、ございません。また、尾辻大臣、島村大臣がおっしゃったように、前々から総理は科学的知見に基づいて食の安全に万全を尽くすというふうに御発言なさっておりますが、私どももそのように認識をしております。
それから本日、食品安全委員会の下に置きますプリオン専門調査会が開催されまして、大変精力的な議論が行われたと聞いております。これは御承知のように、特に、先生の多分御質問の趣旨は、現在、いわゆる全頭検査を二十か月齢以下、二十一か月齢未満の牛に関しては対象外とすべきかどうかというリスク管理機関からの諮問に関しての議論だと思いますが、この点については大変精力的に議論が行われ、また次回も議論が行われることになったというふうに聞いております。
■松下新平■
それぞれ三閣僚の皆さんは今の段階では直接小泉総理からの指示はないということで確認させていただきます。
先ほどその電話会談の内容を町村大臣に答弁求めたんですけれども、ちょっと簡単に説明をしていただいたんですが、まあ皆さんも、新聞報道でも出ておりますので、ここでは全部は申し上げませんけれども、大事なとこだけ申し上げます。
ブッシュ大統領は小泉総理に対して、総理として尽力してほしいと要請され、これに対して小泉総理は、牛肉貿易を早く再開したい気持ちだが、いつ再開できるとは言えない。ただしこの問題が日米関係を害することがないよう努力したいと述べられたんですよね。大臣、そうですよね。
それでは、町村外務大臣に再びお伺いしますけれども、小泉総理が努力したいと、この言葉の意味、そして総理がどう努力をされるおつもりなのか、外務大臣の立場からお答えください。
■町村信孝 外務大臣■
今、委員が要約をして言われたような会談があったと私も理解をいたしております。
問題の早期解決の重要性につき両首脳の意見が一致した上で、総理の方から、この問題が日米関係を害することのないよう努力をしたいということでございますから、こうした総理の意向を踏まえて、今後とも政府一体となって対処をしていくことが重要であると考えております。
■松下新平■
今、政府一体となって取り組みたいということでしたけれども、先ほど三閣僚の皆さんは、まだ一切何の指示も連絡もないという現実があります。
さらに、今日の朝日新聞では、大統領が今回の電話をしたことはかなり異例なことだと。そして、いつ輸入を再開するかと期限も迫ったと報道されておりますし、具体的にブッシュ大統領は、小泉首相の立場も分かるが、私の立場も理解してほしい、私は国内の圧力を受けていると、こう報道されておりますし、逆に総理の方は、これは毎日新聞ですけれども、遅らせているわけではない、精一杯やるべきことはやっている、誤解しないでくれと話したとも書いてあります。また、毎日新聞によりますと、政府は近く関係閣僚会議を開きたいということを述べられているんだと思うんですけれども、報道されておりますが、この真意を確認したいと思います。
■町村信孝 外務大臣■
両首脳のやり取りの一言一句を私が紹介をする立場にはございません。したがって、今、その報道された逐一の内容について私がそうであるとかないとか申し上げることは差し控えたいと存じます。
■松下新平■
まあ、本当は総理がお見えになって直接お伺いしたいんですけれども、それがかないません。で、官房長官も、それは外務省の管轄だからと、外務大臣が答えるということでしたので期待したんですが、なかなか思うような答えがいただけません。
本日、記者会見をそれぞれされていらっしゃると思います。このBSE対策に絡む国内安全基準の見直しを諮問している食品安全委員会について、外務大臣はどのように述べられたんでしょうか。午前中の記者会見の内容です。
■町村信孝 外務大臣■
済みません。今日の記者会見は何か一杯案件があったもんですから、私、かなり長時間、今日閣議決定をした法案の内容等を含めて記者会見でいろいろ申し上げ ましたから、この食品安全委員会について、今日閣議で議論になりましたかという御質問がたしか記者団からあって、議論にはなっておりませんというたしかやり取りをした記憶がございます。
■松下新平■
私、昼のテレビでちょっと拝見したんですけれども、下に活字が、テロップが出まして、どうもその委員会では、諮問して早くその結論を、その答申を出すようにということをはっきりおっしゃっていらっしゃいました。
そして、このこと、同じことを島村農林水産大臣にもお聞きしたいんですけれども、大臣はどのように記者会見されているでしょうか。
■島村宜伸 農林水産大臣■
正確にはその記録を見て御答弁するべきなんですけれども、今突然ですから私の記憶の及ぶ範囲で申し上げますけれども、私は、十月十五日に言わば諮問をいたしまして以来、我々は我々なりに今まで誠意を持って取り組んできた結果でありますから、あとは専門家の皆さんの御判断、これ非常に大事なことでありますから、これを待って対応するということで、まあ言わば、常に対応できる準備をして待ち構えているわけでございます。
それから約五か月が経過いたしておりますから、私がそれについてどうこう言うと、また誤解を受けますのでそれは申しませんでしたけれども、やはり、私は 強硬にアメリカ側にも反省を求めたりいろいろやってきまして、それをちゃんとアメリカ側も受け入れて、非常に紳士的に終始していますし、どこからも圧力めいたものはありません。となれば、圧力がないから私たちはほっといていいものではなくて、やっぱりお互いの友好関係、お互いの信頼関係というのは、お互いが納得できる、それは結果でなくてですよ、いろんな検討の結果その他については、日本の常識だけでこれを考えていたらまずいと思っております。
例えば、善処します、検討しますというのは日本人が海外で非常に批判を受ける言葉ですよね。やっぱり、そういうことではなくて、我々はあくまで本当にやっているんだということが向こうに理解されることも必要なんだろうと思っていますが、そういう点については、先方極めて紳士的ですし、私の言ったことをちゃんと受け入れてくれているわけですから、それに対しては、私の気持ちも記者の方よくお分かりだと思うので、別に多くのことは申しませんでした。
■松下新平■
私も、テレビのテロップでは中立公正という言葉を発せられたと思うんですけれども、ニュース速報をいただきましたら、早急に結論が導かれれば有り難いと述べられたと最新の情報ではなっております。
最後に、食品安全担当の棚橋大臣なんですけれども、大臣の所轄される食品安全委員会の、食品安全委員会のほかの閣僚の方が、もっと早くすべきだとかいろいろ言われているんですけれども、それに対して大臣はきっぱりその記者会見の中でどのように答えられたんでしょうか。
■棚橋泰文 科学技術・食品安全担当大臣■
お答えをいたします。
他の閣僚の先生方の御発言については私、詳細を承知しておりませんので、コメントする立場にございませんが、本日の閣議後の記者会見におきまして、済みません、ちょっと記録がないんで細かいことまで正確ではございませんが、要旨を申し上げるならば、私が申し上げましたのは、食品安全委員会、それから先ほど先生がお触れになったプリオン専門調査会、大変実質的で精力的な議論を中立公正な立場から重ねていると思っています。科学的知見に基づいて、この諮問に対して大変しっかりと議論をしていただいているというふうに理解しております、というふうに申し上げたと思っております。
■松下新平■
ありがとうございました。
それぞれ御答弁いただきましたけれども、是非、科学的知見に基づいて、中立公正な立場から、その判断を待ちたいと思っております。
町村外務大臣にこの電話会談についてお伺いしたいんですけれども、このような電話会談ですね、これは小泉総理が就任されてからどのような頻度で行われているんでしょうか。そして、それがどのような意味合いを持つものなのでしょうか。
■町村信孝 外務大臣■
正確に統計を取っているわけじゃございませんが、かなり数多くの電話会談が行われております。それぞれの首相が、首脳が必要に思ったとき、テーマが当然あって、いろいろな話をされております。もう十数回に及んでいると、こう聞いております。
■松下新平■
十数回ということは、この一年間には三、四回という頻度だと思います。
前回の電話が二月三日という報道がありました。今までの、年間に三回から四回ですと、一か月少しでまた電話があったわけですから、相当ブッシュ大統領はもうせっぱ詰まった状況だと予測されます。これは輸入再開の強い働き掛けだったということも容易に想像できます。
そのほかにも裏付けがございます。二月十九日の町村外務大臣とライス国務長官との会談でも、BSE問題が議題となって発表されております。来週、三月十 八日は来日の予定もあります。このときも議題になると報道されております。さらに最近、アメリカ上院議会から加藤駐米大使に書簡が届いたとの報道がなされております。
町村大臣は、当然これをごらんになって、総理、小泉総理に報告されていると思うんですけれども、いかがでしょうか。
■町村信孝 外務大臣■
日米間にはいろいろな議論すべき、また解決しなければならない課題がいろいろございます。それは時々刻々変わっていくわけでございます。日米、米軍、在日米軍の再編成の問題もございます。あるいはこの牛肉、米国産牛肉の輸入の再開問題も、今、日米間ではやはり大きなテーマになっております。それは率直に言って事実でございます。
だからこそ、先般、二月十九日の日米外相会談でもこのことが話題になっておりますし、また今委員御指摘の米国の議員から加藤大使への書簡あるいは米国議会における決議案の提出などなど、やはり彼らもこの問題、実はもっと早く解決するのかと思っていたけれども、随分予想外に時間が掛かるなあというような思いが、それは率直に言ってアメリカ側にあることは事実だろうと思います。
そういうことを踏まえながら、私どももこの問題、適正な方法でやはり解決をしていかなければいけないということでございまして、このことが、先ほど総理の発言にもあったように、今極めて良好な関係にあります日米関係に大きな阻害要因になってはならないであろうと、そのための様々な努力が必要であるということを総理が申し上げた、総理がブッシュ大統領に言われた、正にそれはそのとおりだろうと私どももそう思って、今後ともいろいろな外交努力をしていきたいと考えているわけであります。
■松下新平■
上院議員の二十名の方から書簡が送付されております。お話しになったとおりですけれども、書簡ですので公表できないところもあるかもしれませんが、その書簡を送られた議員のホームページにはその内容が載っております。かなり強固な姿勢で輸入再開を望むということが書かれているんだろうと思います。また、お触れになりました三月三日の下院議会、対日制裁に言及する決議案、これも英文ですけれども発表されております。これも強い口調で、そして強い意思で決議案が作成されたと理解しております。さらに、アメリカからの報道では、ブッシュ大統領の強力なロビー団体と言われる畜産団体、この一年間の、一年間少しですけれども、損失は日本円で二千億円を超えるという発言もなされていらっしゃいます。
ところで、二月十七日の衆議院予算委員会において、出席された食品安全委員会の寺田委員長はこう述べられています。科学者の議論を大事に進めている、ぼつぼつ答申に向けて意見がまとまるのではないか、意見を完全に集約できなかった場合には少数意見を付記するという形になるのではないかと感じていると。そして、プリオン専門委員会は、二月二十四日には答申案作成に向けた最終的なたたき台を提示する予定と報道されておりましたけれども、その後の島村農林水産 大臣の非常識発言、また町村外務大臣の食品安全委員会の審議速度ペースいかがなものか発言、これで二月に出されるはずの答申が遅れているとも言われております。
今回の一連のアメリカ側の行動は、その事情が理解できないアメリカ自身がしびれを切らしたものとの見方が一般的ではないでしょうか。もちろんお互い政治家ですし、国同士の交渉でもあるわけですから、様々なことがあるでしょう。しかし、私がこだわるのは、命にかかわることだからです。将来の子供の命が懸 かっているのです。
私は地方議会から国会に参りましてまず感じたのは、国会における政治判断が人の命に直接かかわるということです。イラクへの自衛隊派遣決断でも結果として貴重な人材を亡くしておりますし、薬害エイズ問題は情報も十分開示されないままに多くの人命を失いました。最近ではC型肝炎問題も発生しております。お金や物はある程度取り返しが付きますが、命にかかわること、それができないのです。日本政府も過去に幾つかの過ちを犯しております。その教訓が生かされていないことを言っているのです。
私の郷土、九州の宮崎では、五年前に、BSE発生の一年前に口蹄疫が発生いたしました。九十二年ぶりの発生でしたので、それは大騒ぎでした。九十二年ぶりですから、だれも防疫体制をどのようにしていいか知らなかったわけです。結果的には、時間は相当掛かったんですが、生産者、行政、団体が一丸となってこの難局を乗り切ることができました。しかし、ある大規模畜産農家は、当時、日本の畜産を守るためには宮崎の畜産をすべて焼却しても構わないと、そこまで覚 悟を決めたんです。
そして、一年後BSEが発生しました。皆さん、連日テレビで足下がふらつくイギリスの乳牛の映像が次々と映像されたことを覚えていらっしゃるでしょう。 風評被害もあり、牛肉離れは予想をはるかに超えました。その影響で、今も約千校の小中学校の給食で牛肉が一切使われていないそうです。また、若い獣医が責任を感じ、あやめることもありました。
そこで、当時、失われた信頼を獲得すべく導入されたのが日本スタンダードの世界一厳しい危険部位の除去と全頭検査でした。島村農林水産大臣も当時賛同したと答弁されていらっしゃいますが、これも、やっとの思いで安心、安全をかち取ることができたのです。
アメリカで研究している友人から聞きました。BSEの病原体、異常プリオンを発見し、一九九七年にノーベル生理学・医学賞を受賞したスタンリー・プルシナー教授が米議会に対して牛の全頭検査に消極的な米政府の政策を批判し、日本の安全策を強く支持する発言をしていますし、ほかの世界の権威者からも日本の検査体制は非常に高く評価され、アメリカもそうすべきだとテレビで訴えられているそうです。
先日は、日本で初めて変異型クロイツフェルト・ヤコブ病での死亡も確認されました。国内感染も完全に否定されてはおりません。この分野はまだまだ解明されていないものがたくさんあるわけです。日本の子供たちの健康までアメリカに売り渡そうとしているんだぞと、アメリカで研究している友人は言います。アメリカが悪いとは言いません。真実を国民に伝えないといけないのではないでしょうか。実際にBSEを研究している在米の日本人研究者は、少なくとも日本に帰ってからは牛肉は食べないだろうと言っています。もちろん子供にも食べさせないと。
衆参予算委員会でも再三取り上げてまいりましたBSE、牛肉輸入再開について政府は、建前では一貫して食品安全委員会に諮問し、科学的知見からと発言されています。私は、もちろんこれを守ってほしいのです。しかし、一連の政府の行動を見ると、有形無形の圧力を委員会に与えているのではないかと危惧するのです。委員会の皆さんも、この新聞報道や世論、それに多く心が揺さぶられているのではないでしょうか。
農林水産大臣へ再度お伺いします。
所管される畜産生産農家、あるいは、今農政は消費者重視で力を入れていらっしゃいますが、その皆さんの声を、農林水産大臣、所轄大臣としてどのように表現をされていられるんでしょうか。
■島村宜伸 農林水産大臣■
国内外を問わず、私どもはあくまで消費者の安全、安心、これは生産者にとっても非常に関係の深いことでありますから、私たちはその姿勢を一貫して貫いておるわけでございます。
■松下新平■
生産者の皆さん、そして消費者の皆さん、通常は利害が対立する、対立する場合が多いんですけれども、このことに関しては全頭検査をすべきだということが大方の意見だろうと思います。そのことも十分踏まえて、担当大臣として、中立公正も大事ですけれども、その皆さんの意見を十分踏まえて行動していただきたい と思います。
BSEに関しては最後の質問になりますけれども、今回の協議は二国間、アメリカからオファーがあって二国間の協議がずっと進められておりますけれども、 申し上げましたように命にかかわり合うことですから、これは世界共通のルール、これを日本が主導して作るというのも大事ではないかと思います。
そこで、厚生労働大臣と農林水産大臣に所見をお伺いしたいと思います。まず厚生労働大臣。
■尾辻秀久 厚生労働大臣■
今お尋ねは、世界共通の何かルールを作るべきだというふうにお尋ねなんでしょうか。それとも、我々がどういうふうに対応すべきかというお尋ねでございましょうか。
まず、我々がどういうふうに対応すべきかということでお答えを申し上げますと、いつも申し上げておりますけれども、私どもは、立場はまず基本的に国民の食の安全を守るという立場でありますから、先ほどもお答え申し上げましたように、科学的知見に基づいてそれを実行するということでございます。
もし外国からの輸入ということを考えるということになりますと、当然その私どもがやってる安全基準、これと同等の安全が確認されなければ外国からの輸入はしないと、これがまた私どもの考え方であります。で、私どもがどうするかというお尋ねであれば、この答えになります。
■島村宜伸 農林水産大臣■
世界の共通ルールということでございますが、牛肉防疫に係る動物検疫措置に関しては、現在、国際獣疫事務局、いわゆるOIEですね、が作成する国際基準が 存在しております。しかしながら、BSEは科学的に未解明な部分が多いし、また次々と新たな知見が加わるなど流動的な要素も多いことから、多くの国は予防的により慎重な検疫措置を取っており、OIE基準が各国に採用されている状況にはないわけであります。
以上のような現状を踏まえまして、国際基準より厳しい措置を取っている我が国としては、輸入牛肉の安全性を確保する上で我が国と同等の措置を輸出国にも対して求めているところでありまして、また、OIEにおける国際基準については、我が国の立場をできるだけ反映させるよう積極的に議論に参加しているというところであります。
■松下新平■
この問題は、今後とも引き続き農林水産常委員会等で議論を深めてまいりたいと思います。
さて、次の質問に移ります。
総務大臣、お待たせいたしました。私は、九州の宮崎の選出で、地方の行政、議会に携わってまいりました。今地方は本当に疲弊しております。農山漁村、商店街、中小企業、そんな中でも、今回、地域で厳しい条件の下に活動する消防団にスポットを当てて議論をしてみたいと思います。国の予算規模から見ると小さいことかもしれませんが、あえて今の地方の実態の様々の問題点をはらんでいる消防団についてお伺いいたします。
閣僚や委員の皆さんも、正月の消防初め式、夏の操法大会では参加された方もいらっしゃると思います。昨年は相次ぐ台風の襲来によって災害が多発した年でした。ふだんは余り目立ちませんが、被災地で活躍する消防団の姿もクローズアップされました。
そこで、消防団活動にお詳しい、そして理解の深いと言われている麻生総務大臣にその認識をお聞かせいただきたいと思います。
■麻生太郎 総務大臣■
消防団に関する考え方を言うんですか。
■松下新平■
はい。
■麻生太郎 総務大臣■
全国三千、今、市町村で二千五百、消防団の数は約三千五百、今、総団員数で九十二万人ぐらいいるところだと思いますが、基本的に、消防団というものはボラ ンティアなんていう片仮名が普及する前から基本的には奉仕という前提に立って成り立ってきた数少ない団体だと、私どもは基本的にそういう認識をしておりま す。
したがいまして、各地域に、まだ少子化なんということが進む前は、普通、村の若い人、町の若い人は青年団に入り、その後は消防団に入り、大体それが大人 になっていく過程としてしきたりみたいにして通っていった、村の、町の、部落の、その地域の一つのしつけにもなり、基本として長い間支えられてきた伝統なんだと思いますが、私どものおりますところも基本的にはそういった意識がきっちり残っているところなんだと思いますが、そういった意味では、消防団という ものの存在というものは、いろんな意味で、防災というだけじゃなくて、いろんな意味で、町のコミュニティーというものの意味においても非常に大きな価値が あると思っております、大前提として。
加えて、昨年、国民保護法という法律が通っておりますので、この法律が通ったおかげをもちまして、いろんな意味で、消防団の持っております活躍する場は更に広がったと思っております。その意識が日本海沿岸の選挙区の方の方が、宮崎県、豊後水道よりあっちの方が意識としては高いと思いますけれども、結構深刻です、あちらの方が。
何となくいざというときのことをいろいろ恐らく考えられる感性というものがおありなんだと思いますので、そういった意味では、私どもから見ていろんな感 性というものがきちんと磨かれているんだと思いますけれども、今いわゆる退避ということに関しましても、いわゆる日本語のうまい工作員ではないという保証は、ふだんから顔見知りの消防団員の退避、誘導というのは最も安心感を与えるところだと思いますので、そういう面の指導につきましても併せて期待が寄せられているようになってきておりますし、いろんな意味で、地域においては青年が減ってきた分に代わって、今度は伊予松山ではこの四月一日から正式に郵便局員 が消防団に編入するという職能別の消防団というのを初めて編成をさせていただいておりますけれども、いろんな形で消防団の機能というものを有効的に使っ て、地域の防災、安全、そういったものに更に向上させていく意味におきまして、消防団というものはおっしゃるように余りふだん目に掛けられてないところで すけれども、最も大事にすべき組織だと思っております。
■松下新平■
全国で九十二万人ということでしたけれども、ちなみに農協青年部といって農協の指導者ですね、大臣、は全国で八万人、それの十倍以上ですね。青年会議所は四万三千人ですから、出身の、その二十倍以上の団員がいるということです。
それでは、我が国の消防団の現状と、これは他国に類するものがあるか分かりませんけれども、諸外国の状況についてお伺いいたします。
■林省吾 消防庁長官■
お答えを申し上げます。
我が国の消防団の現状でございますが、先ほど大臣の方からお答えがございましたように、十六年四月現在で約三千五百団、総員約九十二万人を抱える状況になってございます。
制度的には消防組織法に基づきます市町村の消防機関の一つでありまして、常備消防の所管の下で活動しておりますが、その構成員であります消防団員の身分は市町村の非常勤の特別職ということになっております。
それから、諸外国の状況でありますが、なかなか、地方制度あるいは消防制度が異なりますので正確な把握ができておりませんが、一、二、お答えをさせていただきます。
アメリカにおきましても義勇消防隊は大変大きな組織となっておりまして、大都市では常備がございますが、市町村を中心に約八十四万人の隊員がいるという ふうに聞いております。また、ドイツにおきましては、人口五万人以下の都市では原則非常勤の義勇消防隊が組織されているようでありまして、その数は約百二 十万人に上っていると、こういうふうに聞いているところであります。
■松下新平■
全国それぞれの地域でも違いますし、また同じ都道府県でも都市部と中山間地では違うわけです。通常は、都市部に常備消防団が、消防本部と消防署があって、中山間地はそれが行き届かない。それを消防団がフォローしているという現実があります。実は、私も地元の消防団に属しております。火災の出動、夜警、捜索、地域の祭り、その職務は多岐にわたっております。
消防団はボランティアの原点と言われる言い方もあるんですけれども、消防団の歴史についてお伺いいたします。
■林省吾 消防庁長官■
消防団の歴史についてのお尋ねでございましたが、遠くさかのぼりますと江戸時代にさかのぼるわけでありますが、町火消しという制度から始まりまして、明治 になりまして消防組という形で、特に明治二十七年の消防組織規則におきましては全国的に制度の統一が図られまして、知事が職権をもって設置すべきものというような歴史をたどっております。しかし、昭和になりまして警防団という時代を経、戦後、昭和二十二年になりまして、消防団令の公布によりまして全国の市町村に消防団が組織されることとなっております。さらに、同年、消防が警察から分離独立いたしまして、市町村長と消防長に指揮監督権が与えられるという現在の制度の原型ができております。その後、二十六年の消防組織法の改正によりまして消防機関は義務設置とされる中で、常備又は消防団としての現在の制度が 整ってきているものであります。
■松下新平■
次に、消防機材の充実についてお伺いいたします。
中山間地では携帯もつながらない、そして無線も何か性能のいいのじゃないと連絡ができないという現状があります。二次災害の心配もあるんですけれども、機材の充実についてお伺いいたします。
■林省吾 消防庁長官■
消防団におきます資機材の充実についてでありますが、申し上げるまでもありませんで、地域防災体制の中核的存在でございますので、その資機材の充実は大変重要な問題だと考えております。
ただ、近年、国民保護法の制定もございまして、消防団が要望をしておられます資機材の内容も多少変化をしてきております。従前は、可搬式ポンプあるいは エンジンカッターなどの救助用資機材あるいは救急用資機材に対する要請が中心でありましたが、近年は、携帯用の無線機あるいは衛星携帯電話などの災害情報 伝達機器であるとか、あるいは拡声機、緊急伝達システムなどの避難用の資機材に対する御要望が多くなっております。
このような資機材の整備は大変重要だと考えておりますので、私どももその整備を更に強化するよう努めてまいりたいと考えております。
■松下新平■
ありがとうございます。
続きまして、処遇の充実についてお伺いいたします。
その地域によってばらつきはあると思うんですけれども、地域によっては制服も自分で購入するという実態もございます。全国的な状況はどうなっているのでしょうか。
■林省吾 消防庁長官■
お答え申し上げます。
消防団の皆様は、それぞれの地域で生業をお持ちになりながらボランティアとして貢献していただいているわけでありまして、私ども、その労苦に報いるためにもできるだけ処遇の改善をしたいというふうに考えておりますことをまず申し上げておきたいと思います。
ただ、なかなか十分とはいかないわけでありますが、徐々に処遇の充実を図ってまいっておりまして、もちろん団員報酬、出動手当等の財政上の問題もございますけれども、団拠点などの勤務環境あるいは福利厚生の改善にも努めながら、働きやすい環境づくりを指導して、皆さんが参加していただきやすいような消防団の雰囲気づくりに努めてまいりたいと考えております。
■松下新平■
お金の問題ではないんですけれども、その意義から、所得税の免税あるいは年金創設の要望もございますので、また御検討お願いいたします。
さらに、この消防団の最大の課題である団員確保について、そのお取り組み、よろしくお願いいたします。
■林省吾 消防庁長官■
お答えを申し上げます。
団員、地域防災体制の中核として、私ども大変重要な仕事をしていただいていると考えておりますが、しかし、残念ながら最近社会環境の変化等から、その団員が減少傾向にございます。しかし、昨年の災害にかんがみましても、やはり地域の防災力を高めていくためには消防団員の確保は第一に優先すべき重要な課題だと考えておりまして、私ども、市町村長さん方に対しまして団員の確保を強く働き掛けているところでございます。
特に、従前のような基本的な、基礎的な消防団員に加えまして周辺部分で活躍していただく消防団員も必要であるとの考え方から、昨年来、先ほど大臣もお触れになりましたけれども、特定の活動のみに参加される機能別の団員であるとか、あるいは機能別の分団制度、こういうものも考えたらどうかとか、また休団制度というようなものも導入いたしまして、活動しやすい制度にしたいとかということを考えながら、特に例えば郵便局の職員の方、農協の職員の方、市町村の職 員の方、こういう方については優先して参加していただくような働き掛けをいたしているところでございます。そのような成果かも分かりませんけれども、私どもとしては、この低下傾向にできれば歯止めを掛けたいと、このような意気込みでお願いをいたしているところでございます。
■松下新平■
女性消防団員についてはいかがでしょうか。
■林省吾 消防庁長官■
このような働き掛けの中で、おかげさまで女性消防団員につきましては増加傾向が出てございます。御参考までに申し上げますと、平成十六年十月で、採用団につきましても四十七団増えて千三十九団となっておりますし、団員数も六百九十三人増えまして一万三千五百十六人と、こういうふうに女性消防団員の数は着実 に増加をいたしているところでありまして、消防団の任務等を考え、特にその地域密着性に着目をいたしますと、このような女性消防団員の増加には大きな期待 を寄せているものでございます。
■松下新平■
それでは、市町村合併において消防団員の維持とかが心配されておりますけれども、それはどうなっているでしょうか。
■林省吾 消防庁長官■
市町村合併が進む中で、消防団の在り方につきましてもそれぞれの地域で御議論いただいているようであります。
ただ、私どもといたしましては、地域における防災体制の中核である消防団につきましては、合併のいかんにかかわらず、その規模あるいは体制を引き続き維持し、あるいは増強していただきたいと、こう考えております。
したがいまして、平成十五年の十月でありますけれども、地方公共団体あてに通知を差し上げまして、地域の消防防災力を確保する上で必要な団員数を継続又 は増加していただきたいという旨、また合併後の団員の処遇につきましても現場で活動する団員の士気の確保に配慮していただきたい、このような旨をまとめましたお願いをいたしているところであります。
■松下新平■
それぞれ個別に聞いてまいりましたけれども、ますますこれから消防団の役割というのは重要になってくると思います。
麻生大臣、いいですか。いろいろ細かく聞いてまいりましたけれども、今後の消防団の充実強化に向けた麻生大臣の決意をよろしくお願いいたします。
■麻生太郎 総務大臣■
御存じのように、昨年はいわゆる大災害というのがすごく相次いだのは御存じのとおりでして、特に、ふだん台風は大体本島上陸、約、平均で三つ、多い年で六 つ、昨年は十上陸をするなどという、まあ異常気象といや異常気象だったんですが、それに伴いまして大水害等々が起きておりますけれども、いわゆる緊急消防 法というのを作っておいていただいたおかげさまをもって、いわゆる消防庁長官名によって各県所属の消防団が統制されて、ざっと一か所に移動させられるとい うことが非常に迅速性をもってやらせていただけることができるようになりました、おかげで。
極めて救出が安易かつうまくいったというのは、私は非常に大きな役割というものを果たしましたし、例の子供の救出含め、いろいろ消防団というものの価値 がいろんな形でクローズアップされたんだと思いますが、あの消防をやっている裏に支えているのが消防団というところでして、消防団に入っておられたらお分かりだと思いますが、消防団がやっている部分というのは、派手なところもあるかもしれませんけれども、実は地味なところで一番支えているというところが一 番大きく、ここが余り評価をしていただけないところなんだと思うんですが、少なくとも火事になったり災害になった後の後片付けというのは基本的に消防団な んですよね。そういった意味では私どもは、こういった意味につきましては非常にもっと評価をされるというものがないと、何となく銭金だけの話だとは思わぬ のです、私自身は。
そういった意味では、今いろんな形でサラリーマン化が進んでおりますから、その意味では、自営業よりサラリーマンという人の絶対量が多くなってくると、そういう時間に合わせて、その人たちが動ける範囲で、やりたくてもやれないというところが出てきますんで、そういった人たちに合わせて機能別にするとか、 いろんな形で、公務員含めまして、消防団に参加しやすい形を組織的につくってやるというのはとても大事だと思って、先ほど松山市の例を引きましたけれども、ああいった形でもスタートをさせていただいておりますが、女性含めて、いろんな意味でこういったもので充実確保をしていかにゃいかぬとかと思っており ますが、先ほど女性消防団員の話も出ましたけれども、火消しの話が漫画になったりテレビになったりしたのもかなり大きく、大きな誘導原因になったことはもう間違いないと思うんですね。
そういった意味では、私どもはこういった意味で、財政措置やら何やら含めまして、いろんな意味で地域活動というものをした人たちに対して表彰する、みんなの前で褒める、首長さんが堂々とその手の話をするということによって自分たちの価値をというようなところまで、きめ細かな配慮が必要なんだと思いますんで、私ども、消防団というのは自分たちが考えているより町に大いに期待されているんだということの自覚をしてもらうようにするため、してもらわにゃいかぬところだと思っていますんで、国会議員になったからといって簡単に消防団を辞めぬで、国会議員は辞めても消防団は辞めないようによろしくお願いします。
■松下新平■
なかなかの、現場にはすぐ向かえない事情があります。いろいろありがとうございました。
先日、この予算委員会にJICAの緒方貞子理事長が来られました。静かな語り口からも、日本の国際貢献の必要性をしっかりと述べられました。アフリカでは感染症などで一日六千名の子供たちの命が失われている実態の話がありました。見えざる津波と表現もされました。
私も昨年夏に、参議院ODA調査、視察に行かせていただきました。訪れたタイでは日本の警察組織の国際協力がなされていました。私は、伝統ある日本の消防団システムこそこれからの国際貢献に活躍の場があると思っております。機材などは海外で活用されているそうですが、ソフトの面でも貢献できるのではないかと思うのです。様々な障害があり、答弁にあったような消防団の課題もあるのは承知しておりますが、ボランティア精神の原点に立ち返り、世界に貢献する消防団活動が現実のものとなることを願うものです。
以上で私の質問は終わります。次は、同じ九州の喜納昌吉議員です。どうもありがとうございました。
−松下新平インターネット審議中継−
今回の質問の模様のビデオを、ネット上で見れます。動画形式をアイコンで選んでクリックして下さい。
Windows Media Player用
Real Player用
−参議院インターネット審議中継をご覧になる方へ−
参議院インターネット審議中継をご覧いただくには、Windows Media Player(無料)または RealPlayer(無料)がコンピューターにインストールされている必要があります。
インストールされていない場合は、右のボタンからダウンロードして下さい。