大雪による被害状況等の実情調査(災害対策特別委員会委員派遣)
<2012年2月14日(火)>

大雪による被害状況等の実情調査(災害対策特別委員会委員派遣)

1、日時
   平成24年2月14日
2、場所
   青森県弘前市、五所川原市、青森市
3、 メンバー
   参議院災害対策特別委員会委員派遣
    委員長 松下新平参議院議員

    委員長 松下新平参議院議員
    理事   平山幸司参議院議員
    理事   牧山ひろえ参議院議員
    理事   加治屋義人参議院議員
    理事   小坂憲次参議院議員
    委員   加賀谷健参議院議員
    委員   小見山幸治参議院議員
    委員   高橋千秋参議院議員
    委員   ツルネンマルテイ参議院議員
    委員   那谷屋正義参議院議員
    委員   吉川沙織参議院議員
    委員   青木一彦参議院議員
    委員   山崎力参議院議員
    委員   若林健太参議院議員
    委員   秋野公造参議院議員
    委員   上野ひろし参議院議員
    委員   山下茂生参議院議員
    政府同行者
    内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(災害予防担当) 永井智哉
    内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(災害応急対策担当)付主査 平哲治
    総務大臣官房付参事官(自治財政局財政課) 池田達雄
    国土交通省水管理・国土保全局防災課災害対策室長 須見徹太郎
    国土交通省道路局国道・防災課長 三浦真紀
    国土交通省国土政策局地方振興課長 山本克也
4、 委員会報告
二月十四日、青森県において、平成二十三年十二月からの大雪による被害状況等の実情を調査してまいりました。
 参加者は、松下新平委員長、平山幸司理事、牧山ひろえ理事、小坂憲次理事、加賀谷健委員、小見山幸治委員、高橋千秋委員、ツルネンマルテイ委員、那谷屋正義委員、吉川沙織委員、青木一彦委員、山崎力委員、若林健太委員、秋野公造委員、上野ひろし委員、山下芳生委員、加治屋義人理事の十七名であります。
 現地調査の概要を御報告いたします。
 まず、青森空港において、青山副知事、鹿内青森市長、青森地方気象台及び県の関係部局から今冬の大雪による被害状況の説明を聴取し、同副知事及び青森市長に対して見舞金を手交した後、意見交換を行いました。
 青森県内では、十二月から近年にないペースの降雪と平年以上の寒気に見舞われ、記録的豪雪であった平成十七年に匹敵する状況とのことであります。これにより、死者十一名、重傷者八十九名など二百二十四名の人的被害が生じ、そのうち屋根の雪下ろしなど除雪作業中の事故によるものが百七十六名に達しております。また、パイプハウスを中心とした農業施設への被害も二百七十一件を数え、今後、雪解けの時期にかけてリンゴの枝折れ被害も懸念されております。
 青森市では、同市で記録的な豪雪となった平成十六年度に匹敵する積雪深を観測し、今年度の除排雪経費は当初予算の二十億円を既に五億円以上も上回り、十六年度の執行率を使用して算出すると、最終的に約二十億円の不足が見込まれるとのことでした。市は幹線道路のみならず生活道路の除排雪も行う必要に迫られておりますが、国による補助の特例の対象となるいわゆる雪寒指定路線は除雪される市道の六分の一に満たず、国の財政支援に対し、切なる要望がありました。また、除排雪用機材の貸出しなどの制度的な支援や、雪下ろしの困難な家庭に対する支援体制の検討等についても要望がありました。
 派遣委員との間では、二月一日から国道二百七十九号線等で発生した大雪による大渋滞の原因と課題、今冬の大雪による被害増大の原因、除雪中の事故に対する抜本的な対策、屋根への融雪装置設置の効果等について意見が交わされました。
 次に、弘前市樋の口町の雪置場を視察いたしました。視察した雪置場は、岩木川の河川敷の一角を、冬の間、弘前市が国から借り受けているもので、約九万立方メートルの雪が高さ十一メートルにわたって積み上げられていますが、雪解けの際に洪水を起こさぬよう、雪を一か月ほど掛けて崩して解かす作業が必要であり、これに市が約三千万円を負担している実情などについて説明を受けました。
 次いで、弘前消防本部において、葛西弘前市長から同市における豪雪の被害状況や対策について説明を聴取し、見舞金を手交した後、意見交換を行いました。
 今冬の弘前市では、幹線道路のみならず生活道路等の一斉排雪も必要な状況となっており、当初予算の五億円から十六億円まで増加した除排雪経費を補正予算で措置しているため、国による財政支援が強く要望されました。また、機材や熟練オペレーターが不足する中で除排雪実施体制を確保するため、業者への発注方法を工夫するとともに、学生ボランティアの活用を図り、緊急時には市職員自らが公務で除雪作業に当たっているとのことであります。
 派遣委員との間では、除雪に慣れた人材による除雪体制を制度化する必要性、公共事業の減少や建設業者の体力低下が除排雪に与える影響、リンゴ樹への被害に対する補償体制や、枝の雪下ろしの際の課題、除排雪経費に対する国からの支援状況、過疎集落における除雪体制、通常の大雪と災害との線引きについての考え方、雪置場の確保策、学校教育への影響等について意見が交わされました。
 その後、車中にて県から除排雪の方法及び融雪溝、防雪柵の説明を受けた後、青森県五所川原合同庁舎において、平山五所川原市長から同市における豪雪の被害状況や対策について説明を聴取し、見舞金を手交した後、意見交換を行いました。
 五所川原市では、平年の除排雪予算が三億円程度であるのに対し、今年度は六億七千万円が見込まれ二度の補正予算措置を講じているとのことであり、除排雪関連経費に対する財政支援を始めとした各種対策について要望がありました。また、例年の雪では起こらないパイプハウスの倒壊が二十五棟発生しており、農業用除雪機の導入に対する国庫補助要件が豪雪地帯の実情に即して緩和されるよう要望がありました。このほかにも、地吹雪による視界不良から来る交通障害など、日常生活への雪の影響は大きいとのことでした。
 派遣委員との間では、空き家対策の現状、農業用ハウス被害に対する有効な対策方法、観測点における積雪深と実態との乖離、現行の除排雪以外の有効な消雪方法、市民への情報提供手段、雪の活用策等について意見が交わされました。
 最後に、青森市の「道の駅なみおか」にある観光リンゴ園を訪れ、リンゴ樹に対する大雪の影響について、現場において説明を受けました。雪に埋もれた枝については、例年であれば既に行われている剪定作業に遅れが出ているとともに、雪解けの時期にかけて枝が雪に引っ張られて生じる枝折れの被害も懸念され、収穫量の減少が心配されているとのことでありました。
 以上が調査の概要であります。
 豪雪地帯の青森県にあっても、とりわけ今年の雪の状況は厳しいものであり、除排雪に係る財政負担の増大に加え、除雪作業や交通障害による市民の疲労感も強く、地域経済や市民生活に多大な影響を与えております。今後、国の財政支援はもとより、雪処理を担う体制の構築や、住宅の性能、道路交通管理など、ハード、ソフト両面からの雪に強い地域づくりを一層推進する必要性を強く認識した次第であります。
 最後に、大雪への対応等でお忙しい中、本調査に御協力をいただきました方々に厚く御礼を申し上げますとともに、地域の皆さんが一日も早く通常の生活を取り戻せるようお祈り申し上げて、派遣報告といたします。

青森県副知事、青森市長による概況説明等 青森空港から弘前市へ向う車中より
弘前市樋の口雪置場視察 委員長として取材対応
弘前市長等との意見交換  弘前市より五所川原市へ向う車中より
五所川原市長等との意見交換 りんご園視察
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