平成24年5月に発生した突風等による被害状況等に関する実情調査
2012年5月17(木)

平成24年5月に発生した突風等による被害状況等に関する実情調査

1、日時
   平成24年5月17日(木)
2、場所
   茨城県
3、 メンバー
   参議院災害対策特別委員会委員派遣
   委員長 松下 新平参議院議員
   理事  平山 幸司参議院議員
   理事  牧山ひろえ参議院議員
   理事  加治屋義人参議院議員
   理事  小坂 憲次参議院議員
   委員  加賀谷 健参議院議員
   委員  小見山幸治参議院議員
   委員  那谷屋正義参議院議員    
   委員  吉川 沙織参議院議員
   委員  青木 一彦参議院議員
   委員  岡田 広参議院議員
   委員  若林 健太参議院議員
   委員  秋野 公造参議院議員
   委員  渡辺 孝男参議院議員
   委員  山下 芳生参議院議員

   随行者  (委員部)
         委員部第八課課長補佐   柴崎 敦史
         委員部第八課係長      藤本 雅
         委員部第八課係員      手島 望
          (調査室)
         国土交通委員会調査室長 擽原 利明
         国土交通委員会調査室調査委員 斎藤 貢一

   (政府同行者)
         内閣府大臣官房審議官(防災担当)  佐々木 克樹
         内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(被災者行政担当)付参事官補佐 鶴見 伸司
         厚生労働省社会・援護局総務課災害救助・救援対策室長 西川 隆久
         農林水産省経営局総合災害対策室長 真鍋 郁夫
         国土交通省水管理・国土保全局防災課災害対策室長 黒川 純一良
         気象庁観測部観測課観測システム運用室長 鈴木 修
         環境省廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課企画官 佐山 浩
4、 コメント
    委員長を務めております災害対策特別委員会として竜巻被災した茨城県つくば市を中心に、
    上空からと現地からと視察を行いました。
    竜巻は、気象予測が非常に難しく、日本列島どこでも発生する可能性もあり、
    又、ひと度被災すると甚大な被害をもたらす特徴の自然災害です。
    にも関わらず、日本では発災事例が少ないため、瓦がまるごと吹き飛んでしまっても
    全壊扱いにならず、支援が十分行き届かない等従来の認定基準の不備も指摘されています。
    実情に添えるように委員会でも審議して参ります。
5、 委員派遣報告
去る五月十七日、茨城県において、平成二十四年五月に発生した突風等による被害状況等に関する実情を調査してまいりました。
 参加者は、松下新平委員長、牧山ひろえ理事、加治屋義人理事、小坂憲次理事、加賀谷健委員、小見山幸治委員、那谷屋正義委員、吉川沙織委員、青木一彦委員、岡田広委員、若林健太委員、秋野公造委員、渡辺孝男委員、山下芳生委員、平山幸司理事の十五名であります。
 現地視察の概要を御報告いたします。
 竜巻発生時の五月六日の気象は、日本の上空約五千五百メートルに、氷点下二十一度以下の強い寒気が流れ込む一方、東日本から東北地方の太平洋側に暖かく湿った空気が流れ込んだため、東海地方から東北地方にかけて大気の状態が非常に不安定となり、落雷や突風、降ひょうを伴う発達した積乱雲が発生しました。
 今回、気象庁では、四つの竜巻を確認しておりますが、そのうち、茨城県つくば市付近においては風速が毎秒五十から六十九メートルに達する竜巻が、また、栃木県真岡市から茨城県常陸大宮市にかけての地域においては風速が毎秒三十三から六十九メートルに達する竜巻が発生したと発表されました。
 この竜巻による被害は、茨城県全体で死者一名、重傷者四十一名、建物被害として、全壊、半壊、一部損壊の合計が一千三百三十三棟、降ひょう等の被害を含めた農業関係被害金額として五億円強、さらに中小企業者等の施設・設備等の被害などが多数発生しております。
我々は、まず、市ヶ谷の防衛省より陸上自衛隊のヘリコプターに搭乗し、上空から、茨城県筑西市、つくば市北条地区及び栃木県真岡市西田井地区等の被災状況を視察いたしました。機中より、竜巻等による建物損壊やビニールハウスの倒壊等の被害の様子をうかがった後、つくばヘリポートに到着いたしました。
 その後、つくば市現地災害対策本部が設置されているつくば市筑波交流センターへ移動いたしました。そして、上月茨城県副知事及び市原つくば市長に対して、本委員会より見舞金を贈呈した後、被害の概要説明を聴取いたしました。
 その席で、茨城県及びつくば市からは、被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給対象への半壊世帯の追加、被災した中小企業・商店街に対する施設・設備等の復旧・復興に係る助成制度の創設、被災した農業用ハウスの建替え等の復旧に係る経費に対する積極的な支援、がれきの処理や被災建築物等の解体・撤去への財政的支援、竜巻等に係る観測体制の強化や竜巻等に係る地域防災計画づくりの指針となる防災基本計画の改定の推進、特別交付税の交付についての特段の配慮等について、要望がなされました。
次に、今回の竜巻等で最も被害が大きかったつくば市北条地区の住宅街、商店街、雇用促進住宅北条宿舎などを徒歩で視察いたしました。
 視察先では、竜巻被害の甚大さとともに、懸命に復旧作業を行っている住民や建築業者等の方々の御苦労の様子をつぶさに拝見させていただいて、被害実態に対する認識を新たにし、さらに、居合わせた住民の方々から竜巻発生時の状況や復旧・復興に向けた御意見・御要望等を伺うことができました。
 その後、つくば市現地対策本部へ戻り、意見交換を行いました。視察委員との間では、被災した所有者不明の空家等の除却対策の在り方、災害救助法に基づく住宅の応急修理制度の適用対象となる箇所の概要、同制度の工事完了期限の妥当性、東日本大震災によりつくば市に避難して今回再び被災した方々に対する支援策の在り方等について意見が交わされました。
 最後に、つくば市内の気象庁気象研究所を訪れ、今回のつくば市付近で発生した竜巻に対する気象研究所の取組について、同研究所による現地調査とレーダー解析等に基づいた説明を聴取するとともに、竜巻注意情報の精度向上策、メソサイクロンと竜巻との関係、竜巻発生箇所の特徴、竜巻に関する統計の歴史等について、意見交換を行いました。その後、所内の気候変動等のメカニズムの解明や予測を行うためのスーパーコンピュータや、上空の降水粒子の種類や雨や雪の強さに関する情報を得ることができる最新型のドップラーレーダーのモニターを視察いたしました。
 以上が調査の概要であります。
 竜巻による被害は、極めて局所的であり、現行の災害対策に関する諸制度では、規模要件等が実態に合わず十分に対応できないなどの課題が現地から示されました。また、竜巻は、稀にしか発生しない現象であるため、最新の技術を用いても予測が難しく、竜巻注意情報の精度は、適中率でおおむねね五から十パーセント程度となっており、今後のさらなる精度向上に向けた取組が待たれるとともに、竜巻から身を守るための行動についての情報の在り方を検討し、その周知徹底を図ること等の必要性を強く認識した次第であります。
 最後に、復旧対応等でお忙しい中、本調査に御協力いただきました方々に厚く御礼申し上げますとともに、地域の皆様が一日も早く被災前の生活を取り戻せるようお祈り申し上げまして、視察報告を終わります。
茨城県副知事、つくば市長に見舞金の手交後、意見交換

気象庁気象研究所でメカニズム等の説明

自衛隊のヘリコプターに搭乗し、上空から視察

上空からみたビニールハウスの破損状況

上空からみた家屋の破損状況

被災現場視察

<デジカメ活動写真館TOP>