−環境問題−




  国民一人ひとりが自由で自立した社会とは、公共に対する責任が厳しく問われる社会です。そして、すべての人間にとって、もっとも大切な公共財が環境であることを、私たちは忘れてはなりません。
 宇宙から地球を見た映像を思いだしてください。丸い球体に陸地と海が存在している美しい星。それが私たち人類の生活の場であり、あらゆる生物の命の拠り所です。その地球が今、病んでいるのです。地球環境問題は二十一世紀、間違いなく人類にとって最大の問題のひとつになります。異常気象の発生、動・植物の絶滅の事例、健康を損ねる種々の化学物質の存在を見るにつけ、強い危機感を抱かずにはいられません。
 日本はこれまで経済大国への道をひた走ってきましたが、その一方で、「自然破壊」や「公害」を引き起こしてきたのも事実です。さすがに昨今は、環境問題を重視した産業政策に転換され、モノを作る側に対して、各種の規制や環境規準を強化しています。その成果として、わが国はある面では公害を克服する実績を残してきましたが、地球環境を守る行動において、国際社会ではいまだ名誉ある地位を得ていません。
 また生産者から消費者に目を転じれば、物質文明の浸透によって、大量消費の「使い捨て」文化にどっぷりと浸っています。まだ使えるのに、流行遅れになったからといって捨てる。壊れたら直すのではなく、新しいものを買う。最近では、情報処理機器に見られるように、性能面での製品寿命が短くなり、業務遂行上からも買い替えを強いられます。
 個人の嗜好やグレードアップした製品にたいする購買意欲は、規制によってコントロールすることはできません。そこで大切なことは、私たちの意識改革を行い、日本をモノを繰り返して使うリサイクル型社会、あるいは廃棄物を出さないゼロエミッション型の社会に再構築することです。現在、容器包装リサイクル法も施行されてはいますが、社会活動を営む主体である私たち一人ひとりが、廃棄物と資源の関係に目覚めなければ、実効を上げることはできません。そこで次のような提案をしたいと考えます。
 まず、義務教育において環境教育を徹底し、子どもの時から環境保全にたいする意識を育てる。太陽光、風力、地熱、波力、バイオマスなどの研究開発を積極的に推進し、自然エネルギーを中心とした代替エネルギーの実用化をはかる。公害防止、植林、自然林の保護など、環境保全技術の開発を進め、それを世界の国々へ積極的に供与し、国際的な貢献を行う。猛毒のダイオキシンをはじめとする環境ホルモン(内分泌撹乱物質)を制御する。廃棄物の減量化・再利用を促進するための基本法を制定し、新たな社会システムをつくりあげる。
 私たちには、古来より自然と共生する知恵がありました。言い古されたことですが、かぎりある資源をどう有効に使うか、いまこそ国民一人ひとりが真剣に考えるべき時なのです。


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