シリーズ2「透明性の確保が急務」〜新知事は徹底した情報公開の推進を。〜

 松形知事が今季限りの引退を表明し、にわかにポスト松形に県民の大きな関心が高まってきました。何しろ知事が交代するのが、24年ぶりですから。
 21世紀最初の県知事選挙は、大変重要な宮崎の方向付けになります。過去の反省に謙虚に耳を傾け、地域主権でいきいきとした宮崎の構築が始まることを期待しています。
 ここ数年の全国の選挙の状況をみていますと、利害関係の組織や一部の団体が選挙を主導する時代は終わったように思います。宮崎県においても同様の傾向があり、組織型選挙が効きにくくなったという声を聞きます。県民一人一人が、自らのこととして結果を出す時を迎えているといえるでしょう。
 私も県議会議員の責任として、人物を慎重に見定めて、県民の皆さまにきちんとした選択肢として知事候補を推薦したいと思います。
 そこで、景気・雇用対策をはじめ山積する課題の中で、まず、最初に新知事に取り組んでもらいたいのは、宮崎県庁の透明性を確保するということです。徹底した情報公開です。まず、県民から信頼関係を強く持ってもらうことが急務です。全国市民オンブズマンによる「都道府県情報公開ランキング」で全国45位という不名誉は、そろそろ終わりにしなくてはなりません。
 9月議会で私が取り上げさせていただいたレジオネラ問題でも、国の基準をオーバーしている浴場の数だけを公開して、施設名の公開を困難としていたように、宮崎の行政は、情報公開をなるべく避けて通る体質が根強くあります。
 この場合は、「施設名の公表によって風評被害が起き、当該施設が倒産などしたら県の責任を問われる」という理由でした。そもそも風評被害という言葉の意味を取り違えていますし、行政の第一義は県民の生命を守ることですので、この点でも誤った判断といえるのですが、このように情報公開によって、何かまずいことが起きた時に、責任を問われることを恐れる体質が宮崎県は特に強くあるわけです。
 しかし、これはトップの決断でどうにでもなることで、県民と行政の信頼関係を築くには徹底した情報公開しかないということを、知事が腹を据えていただければよいのです。最終責任の所在が明らかになっていないから、現場が怖がるのであって、知事が決断すれば現場はついてきます。
 さて、情報公開の最大のメリットは、税金の無駄遣いがなくなるということです。
 鳥取県では、240億円を要する中部ダムの例があります。鳥取県のデータでは当初、費用はダム建設140億円、河川改修147億円。ダムの方がお得です、という説明だったそうです。それが、情報公開により、徹底的に調べてみると、うそではありませんが、ある種のトリックがありました。ダムの費用は、昭和47年当時の計画に盛り込まれたままの数字であり、今の金額に換算したら、途端に240億円に跳ね上がったわけです。
 一方、河川改修は絶対におこりそうにない洪水を想定して不必要に高い堤防や川底用には御影石を輸入するなどのとんでもない計画で、常識的な河川改修に必要な費用を求めたところ、30億から40億円になりました。
 データの力には誰も勝てません。河川改修で30億円から40億円は必要ですが、約200億円は節約できたことになります。これこそ、情報公開の力です。
 宮崎県でも、厳しい財政状況の中、シーガイア問題、SNA問題など徹底した情報公開があれば、違う結果になったことでしょう。
 新知事には、徹底した情報公開で失いかけている住民と行政の間に信頼関係を取り戻すことを強く期待したいと思います。
 私が身を置く議会側も改革が必要です。「スムーズな議会運営」も行き過ぎると、筋書きや台詞も決まった消化試合のようになり、オープンな議論による意見形成から遠いものとなってしまいます。鳥取県の片山知事は、これを学芸会と呼んで物議を醸しましたが、いわんとすることはわかります。
 新知事は誠心誠意、議案を作り、議会は時に否決も辞さない覚悟で真剣に議論に臨む。そういう姿こそ、県民が待ち望んでいる宮崎県の姿だと確信しています。