昨年12月定例県議会中に県財政当局から「宮崎県財政改革推進計画」が出されました。従来、宮崎県の財政は危機的とはいえないという説明でしたので、私には唐突な印象があります。
その内容は「本県の財政状況、今後の財政収支見通しから、特段の対策を講じない場合は、宮崎県はこれからの4年間に財政赤字の発生により、財政再建団体へ転落する危険性があるので、それを回避するために平成16年度から平成18年度までの3年間、県の歳出を大幅にカットする」とのことでした。
確かに、財政改革は避けては通れない課題であるとは認識していますが、決して強くない本県の経済状況を踏まえて、長い間、人件費などの義務的経費を極力抑え、投資的経費を積極的に打ち出して工夫してきた経緯があるのも事実です。
また、この計画では、投資的経費の中でも公共事業が大幅にカットされる見通しで、雇用の12.3%を占めるなど、おのずから公共事業に多くを頼る本県の産業構造の現状ではその影響が心配されます。そしてこのことは、一業界のことだけではなく、他の産業(農業や中小企業等)にも波及していくことが考えられます。
ある中山間地でこういう話を聞きました。「林業や農業だけでは生活が成り立たないので、農閑期に公共事業の作業員としてなんとか生活し、子供の学費や生活費を送っていたが、公共事業がなくなると親しんできたこの村を離れて、街へ出て仕事をしなければならん。」そうなると中山間地は荒廃しますし、一人抜け二人抜けで村そのものが無くなってしまうことになります。
この改革によって宮崎県の財政は健全になったが、肝心の県民の生活が破綻してしまったでは本末転倒です。
私たち県議会議員にとっても、本県の財政状況の把握は基本中の基本ですし、毎年、新年度の予算編成は県議会で慎重に審議され、その議決を経て執行されるものですので、当然その責任はあります。
長引く不況で税収が落ち込み、国も財政状況が厳しいので三位一体改革を強いられているわけで、全国的な状況ではありますが、宮崎県議会としては将来をしっかり見すえて、気を引き締めて改革に臨み審議してまいります。
そこで、2つのことを強く要望しております。1つは、県民に痛みを伴うことをお願いする前に、まず、公社等も含めた行政側の人員削減や、聖域なしで抜本的に全てを見直し、徹底して無駄をなくすことです。そして、きちんと民間的、経営的な評価をしうる完全な情報公開をして信頼を得ることです。
2つ目は、県民の意見・要望を十分取り入れ、関係部局と具体的な調整を図るとともに、本県の景気・雇用面への影響を最小限にとどめるよう、特に新年度予算編成において配慮することです。
私の目標とする、また改革の先駆者として有名な横浜市長・中田宏さんは、次のように述べています。
「改革と口でいうのは簡単だが、いざ着手しようとすると一つひとつに当事者が必ずいる。改革は賛成だといっていた人も、総論では賛成したはずなのだが、まさかこうなるとは思っていなかったと反対に回ったりすることもしばしばある。だから難しいし、その覚悟がいる。首長が変われば、世の中が変わるのではない。もしそうだったら、独裁者ということだ。日本は、法治国家であり人治国家ではない。だから、ルールや仕組み、運用を一つひとつ変えていかないといけないのだ。また、人に協力を求めるには正直な人のみだ。自ら努力をしている人だ。自分では何もしないで、協力を求めても駄目だ。行政が変わって、初めて市民が、企業が協力してくれるのだ。」
就任して1年半の中田横浜市長の姿勢に賛同して多額の寄付が寄せられているそうです。また、予算の執行段階での工夫で節約した額の2分の1を次年度に付与する「メリットシステム」の配分用財源5億6百万円も確保したそうです。職員との約束どおり157件に配分したそうです。「市政史上最多」と評する117の新規事業は、そうした種からも芽を出しています。
宮崎も大いに学びましょう。
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